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健保ニュース 2022年12月上旬号

全世代型社会保障の構築など
諮問会議 5年度予算編成へ議論

政府は11月22日、経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)を開催し、「令和5年度予算編成の基本方針(原案)」をテーマに議論した。

基本方針案は、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」を重点分野とする財政支出39.0兆円・事業規模71.6兆円の「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を速やかに実行に移し、効果が最大限発揮されるよう万全の経済財政運営を行う考えを示した。

他方、コロナ禍で婚姻件数・出生数が急激に減少するなど少子化が危機的な状況にあるなか、「こども家庭庁」を創設し、出産育児一時金の大幅増額をはじめとする結婚・妊娠・出産・子育てに至るまで切れ目ないこども・子育て世帯への支援など、少子化対策を含むこどもに関する必要な政策の充実を図り、強力に進めていくと明記。

さらに、すべての人が生きがいを感じられ、多様性ある包摂社会をめざし、全世代型社会保障の構築などに取り組むとした。

経済財政運営にあたっては、「経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない」と明記したうえで、「必要な政策対応に取り組み、経済をしっかり立て直して、財政健全化に向けて取り組む」との考えを示した。

5年度予算編成にあたっては、4年度第2次補正予算と一体として基本的考え方および「経済財政運営と改革の基本方針2022」に沿って、重要な政策課題について必要な予算措置を講ずるなど、メリハリの効いた予算編成を行い、日本経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていく方向性を明示。

歳出の中身をより結果につながる効果的なものとするため、「骨太方針2022」を踏まえ、新経済・財政再生計画の改革工程表を策定し、EBPMやPDCAの取り組みの推進による効果的・効率的な支出(ワイズスペンディング)を徹底するとした。

岸田首相は、令和5年度予算編成の基本方針について、党ともよく連携のうえしっかり取りまとめるよう後藤茂之内閣府特命担当大臣に指示。

後藤大臣は、今後の与党における議論を踏まえ、次回の諮問会議で取りまとめる意向を示した。

全世代型への制度改革等
鈴木財務相が建議の方向

鈴木俊一財務相は、11月22日の経済財政諮問会議に、財政制度等審議会が近く取りまとめる令和5年度予算の編成等に関する「建議」の方向を提出した。

「建議」の方向は、総論として、5年度予算は日本財政の長年抱えている問題と世界的な環境変化で新たに生じた課題のいずれをも真正面から受け止め、解決していく決意を示したものとする必要があると指摘。財政に対する市場の信認を維持し、将来世代への責任を果たしていくために不可欠とした。

各論では、能力に応じて負担し、必要に応じて給付し、持続可能な制度を次世代に伝える「全世代型」への制度改革を急ぐべきとの方向を明示した。

医療分野では、ウィズコロナへの移行に向け、各種の特例措置の検証と見直しを行っていくべきとしたほか、医療保険制度の見直し(負担能力に応じた負担)、毎年薬価改定の完全実施、「かかりつけ医機能」が発揮される制度整備等の医療提供体制の見直しを実現すべきと提言。

介護分野は利用者負担等見直しやケアマネジメント利用者負担導入など、こども・子育て分野は安定財源の確保が必要とした。

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