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健保ニュース 2022年10月中旬号

日本健康会議が第2期の進捗報告
健康経営企業数 開始1年で目標達成
13万社、達成率130%

保険者や経済団体、医療関係団体など民間主導で健康づくりを推進する日本健康会議が4日に開催され、2021年度に第2期の宣言として採択した「健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025」の進捗状況を報告した。2025年度を目標達成年度とする5つの宣言のうち、健康経営に取り組む企業数は、13万社で達成率130%となり、開始から1年で目標を達成した。

各宣言の達成状況は、全保険者に対し今年8~9月に実施した「2022年度保険者データヘルス全数調査」を集計した。

宣言1「地域づくり・まちづくりを通じて、生活していく中で健康でいられる環境整備に取り組む自治体を1500市町村以上とする」は、237市町村が達成し、達成率は15.8%だった。

宣言2「47都道府県全てにおいて、保険者協議会を通じて、加入者及び医療者と一緒に予防・健康づくりの活動に取り組む」は、3都道府県が達成し、達成率は6.4%。

宣言3「保険者とともに健康経営に取り組む企業等を10万社以上とする」は、大規模法人の2299社と中小規模法人の12万6741社の計12万9040社が達成し、宣言採択から1年間で目標の10万社を超えた。達成率は129.0%に及ぶ。達成要件は、大規模法人は、健康経営優良法人の認定基準を満たしたうえで、コラボヘルスに積極的に取り組むことや、アブセンティーイズム、ワークエンゲイジメントなどの把握を進めることなど健康経営の発展に資する取り組みを積極的に実施することが求められる。中小規模法人は、健康経営優良法人の認定基準を満たすか、保険者、商工会議所、自治体などのサポートを得て健康宣言に取り組むことが要件。

宣言4「加入者や企業への予防・健康づくりや健康保険の大切さについて学ぶ場の提供、及び上手な医療のかかり方を広める活動に取り組む、保険者を2000保険者以上とする」は、344保険者が達成し、達成率は17.2%となった。

宣言5「感染症の不安と共存する社会において、デジタル技術を活用した生涯を通じた新しい予防・健康づくりに取り組む保険者を2500保険者以上、医療機関・薬局を20万施設以上とする」は、109保険者、6万4965医療機関・薬局が達成し、達成率はそれぞれ4.4%、32.5%となった。保険者の達成率は、今年度に報告されたなかで、最も低い。達成要件は、医療機関等はオンライン資格確認システムの導入の1つだが、保険者はウェアラブル端末や健康に関するアプリを活用した取り組みを行い、その効果検証を行ったうえで、加入者や医療機関がマイナンバーを活用して情報閲覧できるよう個人番号を収集し、特定健診等の情報を提出する必要がある。

各宣言の達成状況を報告した事務局長の渡辺俊介氏は、早々に目標達成した宣言3について、基準を引き上げるか実行委員や経産省、厚労省と検討する考えを示した。

日本健康会議の共同代表を務める日本商工会議所の三村明夫会頭は、会議冒頭のあいさつで「コラボヘルスと健康経営の推進は、従業員の健康の保持増進につながり、さらに企業の魅力向上にもつながる」と意義を強調した。

日本健康会議がコラボヘルスの推進に向けて健康スコアリングレポートを提供していることを紹介したうえで、コラボヘルスと健康経営を「将来的な医療費適正化にも寄与するものであり、日本健康会議でも車の両輪として一層取り組みを強化する」との考えを表した。

来賓としてあいさつした加藤勝信厚生労働相は、「厚労省として経産省と協力しながら、これまで以上に日本健康会議の取り組みをバックアップしたい」と述べ、具体的に健康スコアリングレポート、予防・健康づくりに関する大規模実証事業、医療DXの取り組みを推進すると説明した。

西村康稔経済産業相は、岸田文雄首相が健康投資を新しい資本主義のなかでも重要な要素と捉えているとして、「従業員への健康投資を戦略的に実践する健康経営は、まさに『人への投資』の土台となるものだ。経産省としても関係省庁と連携して、健康経営を一層推進することで、国民の予防・健康づくりに貢献していく」と抱負を述べた。

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