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健保ニュース 2021年8月合併号

令和元年度健保組合医療費の動向
1人当たり医療費は15.3万円
上位3疾患 医科医療費の1/3超

健保連はこのほど「令和元年度の健保組合医療費の動向に関する調査」を公表した。それによると、元年度の1人当たり医療費は15万2841円だったことがわかった。診療区分別の内訳は、医科が10万1460円、歯科が1万8853円、調剤が3万2528円となっている。また、疾病19分類別の医科医療費の構成割合は呼吸器系疾患が全体の14.3%を占め最も多く、次いで新生物の11.9%、循環器系疾患の9.7%と続き、上位3疾患で医科医療費の3分の1超を占める。

調査は、1295組合(本人1554万3470人、家族1165万1015人)の電算処理レセプト(3億1609万6867件)をもとに分析した。

元年度の医療費総額は4兆1564億円で、診療区分別の医療費構成割合でみると、医科入院外が42.7%、医科入院が23.7%、調剤が21.3%、歯科入院外が12.1%、歯科入院が0.2%で医療費総額の約4割が医科入院外となっている。

本人・家族別の1人当たり医療費は、本人が15万1380円、家族が15万4789円で本人より家族が高くなっている。

医科入院にかかる1人当たり医療費は本人が3万4789円で、年齢階層別にみると最も高いのは「70~74歳」の17万788円、次いで「65~69歳」11万5555円、「60~64歳」8万3882円、「55~59歳」6万936円、「50~54歳」4万1032円の順になっている。年齢階層が上がるにつれて医療費が高くなっており、とくに50歳から高くなる傾向にある。

家族は3万8236円で、「70~74歳」の16万5714円が最も高く、次いで「65~69歳」11万591円、「60~64歳」8万906円、「55~59歳」6万936円の順で、40代以降は本人と同様に年齢階級が上がるごとに1人当たり医療費が上昇傾向にある一方で、「0~4歳」7万7141円、「25~29歳」5万4938円、「30~34歳」5万576円と、家族では一部の若年層階級においても1人当たり医療費が高くなっている。

医科入院外にかかる1人当たり医療費は本人が6万4534円で、「70~74歳」が19万7065円で最も高く、次いで「65~69歳」15万79円、「60~64歳」12万5572円と続いており、医科入院と同様に年齢階層が上がるにつれて、1人当たり医療費も上昇する傾向にある。

家族は6万6074円で、「70~74歳」19万331円、「65~69歳」15万6319円、「60~64歳」13万2610円と年齢階層が上がるにつれ医療費が高くなっているが、「0~4歳」においても9万5540円と高くなっており、医科入院と同様に一部の若年層階級で比較的高くなっている。

疾病19分類別の医療費構成は、医科入院で新生物19.4%、循環器系疾患16.0%、消化器系疾患8.4%の順で高くなっている。医科入院外では、呼吸器系疾患17.0%、内分泌・栄養・代謝疾患11.8%、新生物9.2%の順となっている。

疾病19分類別の推計1入院当たり医療費をみると、医科入院で本人は循環器系疾患64万8962円が最も高く、次いで新生物58万2419円、損傷・中毒・外因性37万7933円となっている。家族では精神・行動障害が101万9233円で最も高く、次いで周産期発生病態61万7039円、新生物61万709円の順に高い。

前期高齢者の1人当たり医療費は41万4227円で内訳は、医科が29万8015円、歯科3万1561円、調剤8万4651円となっている。

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