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健保ニュース 2021年8月合併号

公明党合同会議に健保連が出席
高齢者医療拠出金負担の軽減など要望

公明党は7月29日、厚生労働部会(伊佐進一部会長)・健康保険組合議員懇話会(桝屋敬悟会長)の合同会議を開催し、年末に編成される令和4年度の政府予算案などについて、健保組合関係者と意見交換を行った。健保連から佐野雅宏副会長、河本滋史常務理事、田河慶太理事のほか、全国総合健康保険組合協議会の後藤利美専務理事らが出席し、高齢者医療の拠出金負担の軽減や保険者機能強化への財政支援など、4年度予算等に向けた重点要望事項の実現を求めた。

佐野副会長は健保組合の現状について、新型コロナの影響により、標準報酬月額や被保険者数の伸びが低迷し、保険料収入に影響を与えていると報告。経済環境の悪化で保険料納付の猶予措置を申請した事業所は、総合健保組合を中心に今年1月時点で5384にのぼり、猶予額は432億円に達していることを明らかにした。その一方、支出面では、受診控えにより一時的に保険給付費が減少したものの、今年3月診療分から感染拡大前の令和元年度の水準に回復。高齢者医療の増加に伴い、さらなる支出増が見込まれることから、健保組合財政は確実に悪化していると説明した。

こうした状況下において、①3年度では前期高齢者納付金の負担増が見込まれ、同納付金の負担軽減措置である国の「高齢者医療運営円滑化等補助金」が、従来の基準で交付すると約900億円が必要となり、予算額720億円に対し約200億円の財源不足に陥るため交付率を下げて実施する見通しである②3年度は後期高齢者支援金を含めた拠出金負担が過大な健保組合が増加するのにもかかわらず、拠出金負担が過大な保険者を対象に負担軽減される「特別負担調整」の補助額が100億円と固定されているため、負担軽減が必要な健保組合が対象にならない可能性がある─との2点を指摘し、高齢者医療の拠出金の負担軽減措置の拡充を求めた。

また財政悪化により解散を迫られる健保組合に対し、保健事業や医療費適正化事業などの経費を国が助成する保険者機能強化支援事業については、令和元年度から3年度までの3か年の時限措置であるため、新型コロナによる影響を受けた健保組合に対する支援策として活用できるよう事業の継続を求めた。

合同会議に出席した桝屋会長は、新型コロナの影響を受け健保組合財政が悪化している現状に、改めて強い危機感を表すとともに、納付猶予された保険料の今後の動向に警戒心を示した。さらに桝屋会長は、健保連の要望内容を党の重点要望に盛り込み、来年度予算に反映されるよう取り組む意向を明らかにした。

ワクチン接種延期
キャンセル料に財政支援を要請

また、この日の公明党の合同会議では、新型コロナウイルスワクチンの職域接種を行う健保組合の状況についても説明した。

健保連の調査によると、646組合が職域接種の実施あるいは検討しているとの意向を示すとともに、現時点で215組合が534会場で接種を実施。また接種を国に申請した組合は142組合で308会場にのぼる。

しかしワクチン不足により接種計画の変更を迫られたため、接種開始の延期や週あたりの接種実施回数、接種予定人数の引き下げが発生している。健保連の調査によると、把握できた実施中あるいは承認待ちの6組合(7会場)で、医療従事者やスタッフのキャンセル料など約4000万円が発生している。

こうした状況を受けて、ワクチンの早期かつ安定的な供給、申請中の接種会場について国による審査の迅速化と、キャンセル料など追加費用が発生した組合への財政支援を要望した。

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