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健保ニュース 2021年6月中旬号

4年度からオンライン初診を恒久化
河野規制改革担当相 「実施計画」に明記
診療報酬対応は中医協で検討

河野太郎規制改革担当相は8日の閣議後記者会見で、対面を原則としていたオンライン診療について、令和4年度から初診の実施も含め恒久化する方針を表明した。

かかりつけ医以外の医師も一定の基準を満たす場合には、初診からのオンライン診療を容認する。診療報酬上の対応は、中央社会保険医療協議会で、対面診療との関係を考慮し検討していくことになるとした。

オンライン診療の恒久化に向けた骨格は、政府が近く閣議決定する「規制改革実施計画」に盛り込み、3年度から検討を開始、4年度から順次実施する意向を示した。

オンライン診療は、平成30年度の診療報酬改定で導入したが、「6か月の間は毎月同一の医師により対面診療」などの厳格な算定要件が設定された。令和2年度改定では、対面診療の期間を「3か月」に緩和したほか、対象疾患に慢性頭痛を追加するなどの見直しを行った。

2年4月からこの枠組みで運用する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、厚労省はオンライン診療の初診対面原則を緩和し、情報通信機器を用いたオンライン初診を特例的な対応として容認した。

オンライン診療の恒久化については、昨年12月に菅義偉首相が今年の6月までに結論を出すよう指示。これを受け、河野規制改革担当相は、8日の閣議後記者会見で、恒久化に向け厚生労働省と合意した内容を報告した。

オンライン診療が幅広く適正に実施されるよう、厚労省はオンライン診療のさらなる活用に向けた基本方針を策定し、活用の好事例の横展開を進める。

オンライン初診は原則、かかりつけ医のみ容認するが、診療録や健康診断結果などの情報がある患者の場合、かかりつけ以外の医師による初診も認める方向で具体案を検討する。

さらに、かかりつけ医がいない患者でも、医師が診療前にオンラインで医療履歴が把握できるなど、患者と医師がオンライン初診の実施を可能と合意した場合は容認することとした。

オンライン診療の恒久化に向けた診療報酬上の対応は、中医協で議論していくこととしたが、河野規制改革担当相は、「対面診療との関係を考慮して検討していくことになる」との認識を示した。

他方、オンライン服薬指導については、患者がオンライン診療または訪問診療を受診した場合に限定せずに実施できることとし、薬剤師の判断で初回からの実施も可能とすることを合意した。

河野規制改革担当相は、4年夏を目途に電子処方箋システムの運用を開始し、一気通貫でオンライン医療を実施できるように取り組むことも含め、4年度から順次実施できるよう準備を進めていくとした。

厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」は、オンライン診療の恒久化に向けて、5月31日の会合で初診からオンライン診療を行う場合の対応を整理。

過去に受診歴のない患者にオンライン初診を認める場合に必要な医学的情報として、▽過去の診療録▽診療情報提供書▽健康診断結果▽地域医療情報ネットワーク─を例示した。

同検討会は、次回会合で、オンライン診療の恒久化に向けた骨格を取りまとめる予定となっている。

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