HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2019年10月下旬号

健保ニュース

健保ニュース 2019年10月下旬号

健保連が公明党合同会議に出席
改革政策に後期2割負担などを要請
桝屋氏 政府申し入れ含め党内で検討

健保連は18日、公明党の社会保障関係の合同会議に出席し、全世代型社会保障改革と令和2年度予算編成について、後期高齢者の2割負担の導入や拠出金負担の軽減措置の拡充などを要請した。同党の政調会長代理で、健康保険組合議員懇話会の会長を務める桝屋敬悟衆院議員は、「(要請を)しっかり受け止めて、場合によっては政府への申し入れも考えたい。後期高齢者の2割負担は、公明党としては苦しいが、今後検討していきたい」と述べた。

この日の会合は、同党の全世代型社会保障推進本部・厚生労働部会・年金制度委員会・医療制度委員会・健康保険組合議員懇話会の合同会議で、石田祝稔政調会長、桝屋政調会長代理、大口善徳政調会長代理、高木美智代政調会長代理(厚生労働部会長)など、衆参両院約30名の国会議員が参加した。健保連からは、佐野雅宏副会長、河本滋史常務理事、田河慶太理事、全国総合健康保険組合協議会の浅野廉敏専務理事らが出席した。

健保連は、全世代型社会保障改革について、「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に移行し始める〝2022年危機〟を迎え、健保組合を取り巻く環境は一層厳しさを増すことが確実」と指摘し、現役世代の過重な負担を解消し、公平・公正な給付のもと、将来にわたり持続可能な国民皆保険を構築するため、9月に発表した「今、必要な医療保険の重点施策」で喫緊の課題として掲げた、▽後期高齢者の原則2割負担の段階的導入▽後期高齢者の現役世代並み所得者への公費5割の投入▽医療費適正化の観点からの保険給付範囲の見直し─の3つの事項の早期実現を強く求めた。

改革が実現するまでの令和2年度予算編成にあたっては、現役世代の負担増を軽減するため、▽高齢者医療への拠出金負担の軽減措置の拡充▽介護納付金の総報酬割導入に伴う負担軽減措置の継続・拡充─の2項目を要請した。

その後、後期高齢者の2割負担導入や健保組合財政と〝2022年危機〟、人口構造の変化と医療費の増加、健保組合の解散問題、短時間労働者の被用者保険の適用拡大などをテーマに意見交換した。

このなかで、佐野副会長は、健保組合の財政状況について、「黒字と言われているが、健保組合は営利を目的にしていない。収支均衡で運営し、赤字を出すわけにいかない。近年は、拠出金増加に伴い増加分を賄うために保険料率を引き上げた結果である」と説明した。

また、〝2022年危機〟については、後期高齢者人口の急増や1人当たり医療費の増加で、年5%程度の大幅な医療費の増加が見込まれる一方、現役世代は減少するとし、「このままでは医療費を支えられなくなる。現役世代の負担感は増す一方で、これまで何とかやってきたが、先を見通すことができず、解散を検討せざるを得ない健保組合が出てくる場合もある」と強い危機感を示し、要請事項の早期実現と、健保組合を取り巻く厳しい現状に理解を求めた。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年