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健保ニュース 2023年4月下旬号

厚労省 診療報酬改定DXの対応方針
改定時期の後ろ倒し検討

「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム(チーム長・加藤勝信厚労相)は4日、持ち回り審議により開催し、「診療報酬改定DX対応方針」を了承した。

「診療報酬改定DX対応方針」は、「進化するデジタル技術を最大限に活用し、医療機関等における負担を極小化する」ことを最終ゴールとした。

最終ゴールをめざし、①共通算定モジュールの開発・運用②共通算定マスタ・コードの整備と電子点数表の改善③標準様式のアプリ化とデータ連携④診療報酬改定施行時期の後ろ倒し等─の4つのテーマを掲示。政府が今春に策定する「医療DX工程表」にもとづき、令和6年度から段階的に実現する方針を示した。

このうち、①は、診療報酬の算定と患者負担金の計算を実施するほか、次の感染症危機等に備えて情報収集できる仕組みを検討する。

②は、基本マスタを充足化し、地単公費マスタの作成と運用ルールを整備。
 ③は、医療機関で作成する診療計画書や同意書など各種帳票の標準様式をアプリ等で提供するとともに、施設基準届出等の電子申請をシステム改修によりさらに推進する。

④は、診療報酬改定の施行時期を後ろ倒しし、システム改修コストを低減。診療報酬点数表のルールの明確化・簡素化も図る。診療報酬改定の施行時期については、中医協の議論を経て、今夏までに決定する。

診療報酬改定DXによる財政効果については、今夏までに精査・検証を行う。ベンダに生じる負荷軽減効果は、運用保守経費等の軽減を通じて医療機関等に確実に還元されるよう求めていくとした。

「診療報酬改定DX対応方針」のうち、共通算定モジュールは導入効果が高いと考えられる中小規模の病院を対象に提供を開始して徐々に拡大。医療機関等の新設のタイミングや、システム更改時期に合わせて導入を促進し、費用対効果を勘案しつつ、加速策を実施する。

他方、診療所向けには、コスト削減効果を高く得られるよう、標準型電子カルテと一体型のモジュールを組み入れた標準型レセコンをクラウド上に構築し、利用可能な環境を提供する。

なお、診療報酬改定DXの各取り組みは、国主導のもと着実に実施する。関係機関間で調整の必要が生じた事項は、国で調整するとともに、最大限の財政支援と人的支援を行うとした。

5年度からオープンな検討の場として、関係者を構成員とする診療報酬改定DXタスクフォースを拡大して開催するとともに開発主体を支援。開発・運用主体の支払基金に、共通算定モジュールの仕様や開発後の運用体制等の検討チームを設置する。

診療報酬改定DXの最終ゴールに向けて、段階的に取り組みを検証しながら取り組んでいける柔軟で機動的な組織体制を早急に整備する方針を示した。

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