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健保ニュース 2023年4月下旬号

自民PTが医療DX実現へ提言
支払基金抜本改組 システム開発・運用の母体に

自民党の社会保障制度調査会・デジタル社会推進本部「健康・医療情報システム推進合同PT」(田村憲久・平井卓也共同座長)は13日、「『医療DX令和ビジョン2030』の実現に向けて~保健医療情報のデジタル活用により、すべての国民が最適な医療を受けられる国へ~」と題する提言を取りまとめた。

提言は、個々の国民の健康増進や治療、疾病予防のための医療情報の一次利用に加え、公衆衛生や医学研究、創薬などの二次利用を含めた、医療DXで実現するグランドデザインを明示

具体的に取り組むべき事項として①医療DXの推進体制(ガバナンス)の強化②全国医療情報プラットフォーム③電子カルテ情報の標準化等④診療報酬改定DX─を掲げた。

このうち、①は、社会保険診療報酬支払基金を医療DXに関するシステムの開発・運用主体の母体として抜本的に改組。合わせて、厚生労働省の大臣官房に司令塔機能を有する部署を確保し、改組後の新組織のあり方と厚労省内の体制等を一体的に検討して、必要な法整備を速やかに実施する。

改組後の新組織のシステム運用が安定的に実施されるようになるまでの間は、「必要な運用資金について、公的支援を強力に行う」と明記した。

また、②は、電子カルテ情報共有サービス(仮称)を構築して共有する情報を拡大するとともに、医療情報の二次利用にかかる検討体制の立ち上げと利活用促進のための法令等を整備。

運用費は、同プラットフォームにおける情報の共有・交換が普及するまでの間、「国が負担し責任をもって運営」とする一方、普及後の運用費は、「国、オンライン資格確認等システムに拠出する保険者のほか、プラットフォームの利用にかかる受益者で幅広く負担」との考えを盛り込んだ。

③は、中小規模を含むすべての医療機関への導入および普及をめざして取り組むと明記。
 ④は、医療機関等における診療報酬改定に伴う間接経費の極小化に向け、国がマスタを改善・開発し、早期に提供。共通算定モジュール・標準型電子カルテも提供し、医療機関システムを抜本的に改革するとした。

さらに、現状の改定スケジュールが医療機関等やベンダの大きな負担となっているため、診療報酬改定の施行時期を数か月後ろ倒しにするよう提言した。

政府は、今春を目途に、医療DXの推進に向けた「工程表」を取りまとめることとしている。

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