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健保ニュース 2023年1月下旬号

医療機能情報提供制度の報告項目
電子処方箋発行など 6年度から6項目見直し

厚生労働省は、令和6年度に改正する医療機能情報提供制度の報告項目をまとめ、12日に開催された「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」(尾形裕也座長)に提案した。

電子処方箋の発行など6項目の改正案は大筋で了承され、厚労省は新たな情報を6年4月1日から住民に提供できるよう、今年度内に告示を改正する意向を示した。

医療機能情報提供制度は、病院、診療所、助産所から報告された情報を都道府県が集約し、住民にわかりやすく提供する仕組み。平成19年度から開始した。

病院等の管理者は省令および告示で定める事項を、所在する都道府県に報告。都道府県は一定の検索機能を有するシステムにより、インターネットを通じて公表する。

この日の会合では、厚労省が、医療機能情報提供制度における報告項目の見直しとして、①一般不妊治療、生殖補助医療②オンライン資格確認(マイナンバーカードの保険証利用)により取得した診療情報を活用した診療③電子処方箋の発行④人員配置(医師少数区域経験認定医師)⑤人員配置(救急救命士、管理栄養士、栄養士)⑥医療安全対策─を提案。

このうち、①は、令和4年度の診療報酬改定で、一般不妊治療、生殖補助医療の実施に当たり必要な医学的管理および療養上の指導等を行った場合にかかる評価が新設されたことに伴い、「対応することができる疾患または治療の内容」の報告項目に「一般不妊治療」と「生殖補助医療」を追加する。

また、③は、電磁的記録をもって作成された処方箋の導入で、医療機関・薬局を跨いだ情報共有が可能となり、より効果的な重複投薬等の抑制など様々なメリットがあるとして、「報告項目」に「電磁的記録をもって作成された処方箋の発行の可否」を追加することを提案した。

健保連の幸野庄司参与は、医療機能情報提供制度は、患者が病院を選ぶために必要な情報をなるべくわかりやすく丁寧に説明することが必要との認識を示し、「大括りに情報を提供してもあまり意味がない」と指摘。

そのうえで、「患者が医療機関を選ぶための必要な情報を提供する観点から医療機能情報提供制度を作っていくべきであり、この提案では足りない」と主張し、さらなる検討を求めた。

かかりつけ医・制度整備
全国統一化に反映へ検討

このほか、厚生労働省は、医療機能情報提供制度における報告項目の改正に関連し、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」に関する検討のなかで、今後、具体的な情報提供項目のあり方や方法も含め見直しを行うことを説明した。

「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」は、「かかりつけ医機能報告制度」の新設に合わせ、国民・患者がそのニーズに応じて適切に「かかりつけ医機能」を有する医療機関を選択できるよう、「医療機能情報提供制度」を刷新。

6年度以降に医療機能情報の公表の全国統一化や、有識者等の参画を得た検討結果を踏まえ、情報提供項目を見直す。

この日の会合で厚労省は、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」に向けて、「具体的にどのように医療機能情報提供制度の報告項目を見直していくかは、医療部会の議論を踏まえながら検討していく必要がある」と言及。そのうえで、「かかりつけ医機能の制度整備」を全国統一化システムにできる限り早く反映できるよう検討を進めていく意向を示した。

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