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健保ニュース 2023年1月中旬号

規制改革会議が中間答申を決定
プログラム医療機器 2段階承認で早期適用

政府は12月23日、規制改革推進会議(議長・大槻奈那名古屋商科大学ビジネススクール教授、ピクテ・ジャパンシニア・フェロー)と国家戦略特区諮問会議(議長・岸田文雄首相)の合同会議を開催。規制改革推進に関する中間答申を決定した。

このなかでは、プログラム医療機器について、薬事承認に2段階承認制度を導入し市場投入までの期間を短縮することにより、臨床現場での使用開始の早期化を図り、開発・市場投入の促進をめざすとした。

中間答申は、4年10月に定めた前回答申以降の「進め方」にもとづき、規制改革に向けた実施事項と今夏の答申に向けた今後の方向性をまとめた。

ワーキンググループを設置し、審議してきた重点分野のうち「医療・介護・感染症対策」では、実施事項に▽プログラム医療機器(SaMD)の開発・市場投入の促進▽新型コロナ・インフルの同時検査キットの利用環境整備(OTC化)─の2項目を盛り込んだ。

プログラム医療機器は、欧米諸国に比べ実装が進んでいない実態を踏まえた措置を講じることとし、薬事承認および保険適用にかかる期間の見直しについて検討し5年度に結論を得る。薬事承認は2段階承認制度を導入し、第1段階の承認では臨床試験を実施しないことをはじめプログラム医療機器の使用目的や機能に応じた検討を行う。これにより従来4年超かかっていた承認期間を1年程度に短縮する。

第2段階では治験やリアルワールドデータなどで有効性の確認を行うこととして検討の幅を持たせた。保険適用は、第1段階の承認後に医療機器の標準的な審査期間より相当程度早期に行い、一定期間の使用実績を踏まえて柔軟な価格の見直しを行う。

厚生労働省が公表している事例データベースによると、個人の使用を想定したウェアラブル機器を用いて疾病の有無を判断する製品や腰痛患者に行動変容を伴う治療提案を行うプログラムなども医療機器とされており、今後、医療機関等向けだけでなく健保組合の保健事業にも活用できる機器やサービスの充実につながる可能性もある。

今夏の答申に向けては、①デジタル時代②GX推進③人口減少等への対応④地方活性化─に向けた規制改革に重点的に取り組むこととした。

医療関係では、▽データの利活用促進(①関連)▽医療関係職種間のタスクシェア・タスクシフト(③、④関連)▽薬剤師の対物業務から対人業務へのシフト(③関連)▽オンライン診療(④関連)─を盛り込んだ。

岸田首相は同日の会議で、今夏の答申に向け継続検討事項とされた規制改革について、精力的な議論を要請。特に、医療人材の不足や離島・山間部における物流といった地方の社会課題をデジタルの力も活用しつつ解決するため、医療関係職間のタスクシェアやタスクシフト、無操縦者航空機の推進に向けた規制改革の具体化を進めるよう求めた。

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