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健保ニュース 2023年新年号

6年度からの第8次医療計画へ指針見直し
厚労省検討会 取りまとめを了承

第8次医療計画等に関する検討会(座長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)は12月9日、令和6年度からの第8次医療計画等を作成するための国の指針について、検討会としての意見の取りまとめを座長に一任のうえ了承した。

取りまとめは、本検討会におけるこれまでの議論を踏まえ、都道府県が第8次医療計画を策定するために国が示す「医療計画作成指針」、「疾病・事業及び在宅医療に係る医療提供体制構築に係る指針」について、見直しを要する事項を中心に記載した。①医療計画全体②5疾病・6事業および在宅医療のそれぞれの医療提供体制等③外来医療にかかる医療提供体制の確保に関するガイドライン④医師確保計画策定ガイドライン─に関する事項の4部構成は、前回会合に厚生労働省が提示したたたき台から変更はない。

①では、▽新型コロナウイルス感染拡大により露呈した課題▽2040年を見据えた人口構造の変化への対応の必要性▽ICTの活用や医療分野のデジタル化を推進する必要性─を指摘。これらの課題に加え、地域の実情に応じて関係者の意見を十分に踏まえたうえで、第8次医療計画を作成すると記載した。

二次医療圏について、患者の流出入などにより入院医療を提供する一体の圏域として成り立っていない場合は見直しを検討することとし、見直しを行わない場合はその理由を明記するとした。人口100万人以上の大規模な二次医療圏は、協議の場を分割するなど運用を工夫することとあわせ、必要に応じて二次医療圏も見直す。

新型コロナウイルス感染症の影響に鑑みて、基準病床の算出は同感染症の影響を受けていない最新の数値を用いることとし、基準病床数の算定に用いる平均在院日数は現行の第7次医療計画と同様の算出を行うこととした。

③では、外来医療の機能分化・連携に向け、4年4月から施行された外来機能報告で把握可能な紹介受診重点外来の実施状況等の情報を、外来医療計画の記載事項として新たに盛り込んだ。

国の指針に関する事項のうち「新興感染症発生・まん延時における医療」は、このたびの取りまとめとは別に取りまとめを行う。12月2日に改正感染症法が成立、9日に交付したことを受けて、同法に規定された予防計画の基本指針等との整合性を図りながら引き続き検討会で議論する。

また、「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」(座長・尾形裕也九州大学名誉教授)が12月14日にWGの取りまとめを行ったことを踏まえ、検討会を年内に再度開催し、このたびの取りまとめに追加・修正を加えることとしている。在宅医療については、前回会合で報告があった「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長・田中滋公立大学法人埼玉県立大学理事長)の取りまとめをもとに、たたき台から追記した。

健保連の河本滋史専務理事は、新興感染症対応のなかでも流行初期医療確保措置について、必要かつ適切な内容とするよう要望した。医療提供体制については、今般の新型コロナウイルス感染症の流行初期において、局所的に病床が不足したが国全体で不足したわけではなく、少子化と人口減少は進んでいると指摘。平時に過剰な余力を保有するゆとりはないとして、感染症の初期対応に必要な目標病床数は基準病床数の範囲で設定するよう主張した。

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