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健保ニュース 2021年2月中旬号

厚労省メディアス・2年度8月
概算医療費 前年比で3.5%減少
4~8月では6.2%減に

厚生労働省の「最近の医療費の動向(メディアス)」令和2年度8月号によると、8月の概算医療費は前年同月比で3.5%減少し、7月の同4.5%減から減少幅は縮小した。休日数などの違いによる影響を補正すると、同1.2%減へとさらに改善することが明らかになった。

また、4月から8月までの5か月分の概算医療費は前年同期比6.2%減少した。補正後では同6.6%減少しており、新型コロナウイルス感染拡大に伴う患者の受診控えの影響が如実に現れた結果となった。

2年の概算医療費をみると、1月(前年同月比1.2%増)、2月(同2.7%増)はプラスの伸び率となったが、新型コロナウイルス感染症の感染者数が拡大してきた3月に同1.2%減へと5か月振りにマイナスの伸び率に反転した。

緊急事態宣言が発令された4月は同8.8%減、5月は同11.9%減へと減少幅が拡大。感染者数が一定程度、落ち着いた6月(同2.4%減)以降、減少幅は改善傾向にある。

制度別に8月の概算医療費をみると、被用者保険は本人同0.7%減、家族同7.9%減の全体で同3.2%減少し、家族の減少幅が大きい。国民健康保険は同4.4%減、75歳以上の後期高齢者も同3.4%減といずれも減少。未就学者は同19.6%減と大幅に減少した。

1人当たり医療費は同3.3%減で、被用者保険が同3.3%減、国保が同2.2%減、後期高齢者が同4.6%減となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院が同2.9%減、医科入院外が同4.7%減だった。歯科は同0.9%増、調剤は同5.3%減で、歯科を除きマイナスの伸び率となった。

医科入院は1日当たり医療費が同2.3%増で受診延日数が5.2%減、医科入院外は1日当たり医療費が同4.7%増で受診延日数が同9.0%減、歯科は1日当たり医療費が同7.8%増で受診延日数が同6.4%減、調剤は処方箋当たり医療費が同3.2%増で処方箋枚数が同8.2%減。

1日当たり医療費は、1年前の令和元年8月(医科入院同1.1%増、医科入院外同2.5%増、歯科同1.0%増、調剤同2.7%増)と比べるといずれも上昇し、特に、医科入院外と歯科で大きく伸びている。

一方、令和2年4~8月の概算医療費をみると、被用者保険は本人同4.1%減、家族同14.8%減の全体で同7.9%減。国保は同7.2%減、後期高齢者は同4.7%減だった。未就学者は同27.6%減と3割近く減少するなど、新型コロナウイルス感染拡大に伴う患者の受診控えの影響が顕著に現れた。

1人当たり医療費は同6.0%減で、被用者保険が同8.1%減、国保が同4.7%減、後期高齢者が同6.0%減となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院の同5.5%減に対し、医科入院外は同8.4%減と大きく減少。歯科は同6.8%減、調剤は同4.1%減だった。

医科入院は1日当たり医療費が同1.3%増で受診延日数が同6.7%減、医科入院外は1日当たり医療費が同7.1%増で受診延日数が同14.5%減、歯科は1日当たり医療費が同7.4%増で受診延日数が同13.3%減、調剤は処方箋当たり医療費が同9.4%増で処方箋枚数が同12.3%減。受診延日数は、医科入院を除き15%近い減少幅となった。

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