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健保ニュース 2026年7月中旬号

皆保険維持、全世代型社保構築へ
鈴木会長 抜本改革の早期断行を訴求 制度の持続可能性を危惧
健保連理事会

健保連は3日、第541回理事会を開いた。冒頭にあいさつした鈴木伸弥会長は、令和7年の出生数が67万人と過去最少を更新したことに触れ、「国民皆保険制度、ひいては社会保障制度の持続可能性が危ぶまれる」と危機感を表明。8年度の健保組合予算早期集計で、全体の7割超を占める組合が赤字を見込むことを踏まえ、「制度を支える健保組合にとっても厳しい状況が継続する」との認識を示した。こうした状況を打開するため、国や国民、マスコミなどに対し、「皆保険の維持と全世代型社会保障の構築に向け、抜本的な改革の早期断行が必要だと訴求していかなければならない」と述べた。〈鈴木会長の発言要旨は次の通り。〉




本日の理事会は、4月の役員改選後、初めての開催となる。すでに本理事会の下に設置された各委員会で審議が開始されており、理事各位には、格別のご協力を賜り厚くお礼申し上げる。今年度からの2年間、健保連執行機関の一員として、引き続き格段のご理解とお力添えを賜るようお願い申し上げる。

新聞報道によれば、今年の骨太の方針に、現役世代の社会保険料負担を抑制する旨の記載が検討されているということだ。歓迎すべきことではあるが、その実現のための工程表と安定財源を明示し、財政の信任を維持することが重要だ。

7月1日に宮永前会長と上野厚生労働相にあいさつに伺った。現役世代の社会保険料の負担軽減など、健保連の従来の主張について、引き続きお願いしていく旨を申し上げた。

一方、世界情勢に目を転じると、国際情勢は中東の状況をはじめ、いまだ不透明な状況が続いている。先月、フランス東部エビアンで開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)では、国際的な安全保障や経済危機への対応に関する共同声明がまとめられたが、その後の情勢はほとんど変わらず、物価高騰や石油関連素材の供給の平常化には遠い状況だ。

国内の動きを見ても、今春闘では、3年連続で5%を超える高い賃上げが実現したことは、大変心強い動きであり、企業努力の成果もあってのことだと思う。しかし、先ほど触れた通り、石油関連素材の世界的な供給制約は解消まで時間を要するようだ。為替動向も160円を割る気配はなく、これらを勘案すると、物価も上昇傾向は止まりにくいというのが一般的な認識ではないだろうか。

結果として、勤労者にとっても家計の豊かさが実感しづらい状況だ。引き続き、今後の各種統計や経済指標にも注目していかなければならない。

出産の給付見直し
保険料への影響を注視

こうした中で、ご承知の通り、5月29日に「健康保険法等の一部改正法」が成立した。ここに至るまで、各方面の方々にご尽力いただいたことに、まずは関係者の皆様に改めて深く敬意を表したい。

今回の改正のポイントは、「現役世代の負担軽減」、「給付と負担のアンバランスの解消」、「負担能力に応じた負担」、「世代間・世代内の負担の公平性の確保」「保険給付の適正化・重点化」の5つだ。これまで健保組合・健保連が強く訴えてきた主張に沿った制度改正となっており、一定程度の評価ができるものと言える。

一方、出産に係る給付体系の見直しについては、基本的な枠組みは示されたものの、具体的な費用設定など、詳細な制度設計は今後の課題となっており、医療保険財政や保険料負担への影響についても注視が必要だ。

先般発表した令和8年度の健保組合予算早期集計の概要を見ると、賃金の上昇により保険料収入は増加した一方、診療報酬の大幅な引き上げや高齢者医療への拠出金の増加が影響し、7割超の健保組合が赤字を見込む状況だ。

さらに、2025年の出生数は67.1万人と過去最低を記録しており、国民皆保険制度、ひいては日本の社会保障制度そのものの持続可能性が危ぶまれる状況だ。当然ながら、制度を支えている健保組合にとっても厳しい状況が継続する。

こうした状況を打開するためには、国に対してはもちろん、国民、マスコミなど、あらゆる方面に対し、国民皆保険制度の維持と全世代型社会保障の構築に向けた抜本的な改革が早期に断行される必要があることを訴求していかなければならない。

提言のサポートプラン
「共通」と「個別」で推進

改革を行なうために最も重要なことは、「加入者、国民の皆様の理解と応援」に一番の力点を置くことであるのは言うまでもない。昨年、策定した「『ポスト2025』健康保険組合の提言」では、国民の皆様に知っていただきたいことや、実践していただきたいことを「3つのお願い」に込めた。

そして、加入者の期待に応えるために、健保組合が行う健診の環境整備やコラボヘルスの推進など「4つの約束」と、保健事業の充実・強化をはじめとする「5つのチャレンジ」を掲げた。健保連は会員組合の皆様を支援していくため、共通支援と個別支援を組み合わせたサポートプランを推進していく。ご理解ご協力をお願いする。

健保組合の保険者機能を強化し、制度の自立的なアクションを実感してもらうことで、加入者の理解が進み、応援していただける、こうしたステップを踏むことが大切だと思っている。

理事の皆様にお願いがある。先ほど、加入者、国民の皆様の理解と応援が大切だと申し上げたが、外部への発信のためには、内部でまずはしっかりとした現状把握、課題解決の方向性の共有が大切だと考える。

各委員会などでの審議はもちろん、様々な機会を通じて、皆様からの情報の提供や、積極的な意見表明、活発な議論をいただき、意見発信をお願いしたい。

本日は、7年度の事業報告、決算関係を中心にお諮りすることとしているが、これにとらわれることなく、執行機関としての幅広な意見交換を期待して、開会のあいさつとする。

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