健保ニュース
健保ニュース 2026年7月上旬号
医療機関の業務効率化
伊藤常務 地域の提供体制と両輪で推進
厚生労働省は6月17日の医療部会に、5月29日に成立した改正健保法の概要を報告した。改正法には、地域医療介護総合確保基金の対象に、医療機関の業務効率化・勤務環境改善の取り組みを支援する事業を新設することなどが盛り込まれている。健保連の伊藤常務理事は、新たな地域医療構想による地域の医療提供体制の効率化と、個別の医療機関の業務効率化を両輪で進めるべきだとした。
同基金は国の財政支援制度で、事業の実施にあたり、各都道府県が「都道府県計画」を作成する必要がある。事業の新設が来年1月1日の施行ということもあり、厚労省はスケジュールを早期に示したいとしている。
改正法ではこのほか、業務効率化などに積極的・計画的に取り組む病院を厚労相が認定できる仕組みを設ける(9年4月1日施行)。認定基準は医療部会で議論する見通し。
伊藤常務理事は「可能な限り明確な基準を設定すべき」とするとともに、既に先進的に取り組んでいる医療機関と、これから取り組む医療機関ではスタート時点で差が開いているため、公平性の観点から適切な基準を設定するよう求めた。
また、医療DXの活用により、かえって医療従事者の負担が増えることのないよう、国が丁寧に状況を見ながら進めるべきとした。
永井委員は、支援事業の追加などは医療従事者の負担軽減や働きやすい環境の整備が目的だとし、離職防止に向けた取り組みの強化やICTなどの新技術の適切な利活用が進むよう医療機関への財政的・技術的支援が必要だと述べた。
長島公之委員(日本医師会常任理事)は、法改正による支援事業の追加を評価した一方、基金の運用の複雑さや周知が不十分といった課題があると指摘。支援を受ける手続きで医療機関の事務負担が大きくならないよう要請した。認定の仕組みについては、診療報酬上の要件とならないようくぎを刺した。