健保ニュース
健保ニュース 2026年7月上旬号
5年度医療費の「見える化」
健保組合 保険料収入の48%が拠出金
厚生労働省が6月18日の医療保険部会に提示した資料で、健保組合が負担した令和5年度の後期高齢者支援金と前期高齢者納付金の合計額は3.8兆円に上り、保険料収入の48.1%を占めることがわかった。
健保連の米川副会長はこれを受け、現役世代が負担している高齢者医療への拠出金の実態を踏まえつつ、負担のあり方などを念頭に制度改革を議論する必要性を強調した。
資料のタイトルは、「医療費における保険給付率と患者負担率のバランス等の定期的な見える化について」。医療保険制度の総合的な検討などに資するよう、①医療費の財源構成②医療保険制度の比較③実効給付率の推移と要因分析④生涯医療費──の分析内容を同部会に毎年報告するとともに、ホームページ上に公表する。
今回資料提出された「見える化」は、5年度の状況をまとめている。
②の医療保険制度の比較は、健保組合や協会けんぽなど制度別の収入、支出の内訳を示している。健保組合の保険料収入は7.9兆円。公費0.1兆円を合わせた全体の収入は8.0兆円だった。
一方、後期支援金は2.2兆円、前期納付金は1.6兆円、加入者への給付費は4.3兆円となっている。
このほか、協会けんぽの後期支援金は2.3兆円、共済組合0.7兆円、市町村国保1.6兆円。
前期納付金は協会けんぽ1.5兆円、共済組合0.5兆円。前期高齢者を多く抱える市町村国保は3.6兆円の前期交付金を受けた。
①は、医療費45.0兆円のうち、患者の自己負担が占める割合は14.6%(後期高齢者8.3%、それ以外19.1%)。自己負担を除く医療給付費(実効給付率)は85.4%で、このうち公費32.0%、保険料53.4%となっている。〈17ページ掲載〉
患者の自己負担割合は、例えば後期高齢者が8.3%となっているなど、自己負担に上限を設ける高額療養費制度などの影響で法定の負担率(1~3割)に比べ低くなっている。
③の実効給付率(85.4%)の制度別内訳は、後期高齢者が91.7%、それ以外が80.9%。実効給付率は前年度に比べ0.2ポイント増加するなど、高齢化の進展などにより上昇傾向となっている。
実効給付率のうち負担の内訳は、保険料分が53.4%、公費分が32.0%だった。
年齢による医療費と負担額の違いは、一般的に年齢が高いほど平均的な医療費は高くなる一方、保険料の負担額は現役世代が比較的高くなる。
④は、その年に生まれた0歳児が平均で生涯にどのくらい医療費が必要となるかを表したもので、5年度の生涯医療費は約2800万円と算出した。このうち、医療保険給付で賄う部分は約2400万円で、医療費の85%を占める。