健保ニュース
健保ニュース 2026年6月中旬号
国民会議 実務者
給付付き税額控除 「足元の姿」は共有
消費税1%なら半年で対応可
超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議は3日、国会内で会議を開き、前回5月27日の会議に提示された給付付き税額控除の「イメージ」と、制度導入までの「つなぎ」と位置づけられる消費税減税を議論した。会議後、小野寺五典議長(自民党税制調査会長)は、給付付き税額控除について「将来的なあるべき姿は引き続き調整が必要だが、足元の姿はある程度、共有できているのではないか」と述べた。
この日の会議では、経済産業省が食料品の消費税減税への対応期間に関する地方の小売事業者などへのヒアリングの結果を報告した。税率をゼロにする場合は制度の詳細の公表から1年以内、1%にする場合は半年以内で対応できるという声が多かった。
ヒアリング結果を踏まえ、つなぎに関しては、「食料品の消費税減税の実現に向け、様々な課題を乗り越えるべく検討を進めるべき」という声があった一方、「広範囲な物価上昇の対応や給付付き税額控除との接点の観点から、低中所得者に向けた所得連動型給付を実施すべき」といった意見もあったという。
会議後、記者団の取材に応じた小野寺議長は、夏前までの取りまとめに向け、引き続き各党の意見を丁寧に聞きながら議論を続ける考えを示した。
消費税減税の実施時期については明言しなかったが、法案の国会審議なども見据え、「国民会議で各党から一定の方向性が示され、一致することが制度(の実施)を早める」と強調し、意見集約に意欲を見せた。
給付付き控除の「イメージ」
中低所得者支援と就労促進
前回の実務者会議では、小野寺議長が給付付き税額控除の政策目的や制度設計、執行面のイメージを提示した。
政策目的は、諸外国と比べ純負担率((負担-給付)÷世帯収入)が高い中低所得の現役勤労者に着目し、「負担軽減を通じ、所得に応じて一層手取りが増えるようにする」ことと、「年収の壁などによる働き控えの緩和を通じた就労促進を図る」ことの2つに整理した。子育て世帯の負担への配慮も検討する。
制度設計については、支援対象と支援額のイメージが示された。支援対象は個人単位とするが、同世帯の配偶者の所得が高い場合の例外も検討する。単身者や自営業者、フリーランス、就労して純負担率が現役並みの高齢者も対象に含める。
支援額は、日本と諸外国の純負担率の差などを参考にしつつ、所得に応じきめ細かく設定する。併せて、恒久財源の確保も検討する。子育て世帯には、支援額の加算や所得金額の上限引き上げなどで配慮する。
支援は、▽非課税者は定額▽非課税基準を超えた人は、勤労性の所得に応じて逓増させ、「年収の壁」を超えた場合の上乗せを加算する▽一定以上の所得がある人は、金融所得や年金なども含めた総所得に応じて逓減、消失させる──とした。
非課税の判断(住民税か所得税かなど)や、逓増、逓減などの基準になる所得額は、今後の会議で決める。
執行面は、早期かつ円滑な実施のため、給付に一本化し、減税とは組み合わせないとした。
制度の実施にあたっては、国と地方自治体が協力して運営することを基本に、システム面などのインフラ整備を国が、住民との接点を地方自治体が担う。
併せて、国は事務負担軽減策として、給付額算定のための計算ツールの開発や、コールセンターの設置などを想定する。