健保ニュース
健保ニュース 2026年5月下旬号
OTC類似薬の給付見直しなど
健保法改正案が参院審議入り
首相 一体的改革で安心基盤を堅持
OTC類似薬の保険給付見直しなどを柱とする「健康保険法等の一部を改正する法律案」が13日、参院本会議で審議入りした。上野厚生労働相が同法案の趣旨を説明し、高市首相出席の下で各党の代表質問が行われた。
同法案の内容は、▽一部保険外療養の創設によるOTC類似薬の保険給付の見直し▽後期高齢者の保険料算定と窓口負担割合の判定への金融所得の反映▽妊娠・出産に対する支援強化▽協会けんぽへの国庫補助の特例減額の時限的な控除額の拡大──など。
高市首相は、法案に盛り込んでいる各改正項目の意義について、「必要な保険給付を適切に行い、世代間・世代内の負担の公平性を確保するとともに、限られた財源と医療資源を効率的に活用することを目的として一体的に改革する。この法案を通じて将来にわたり、国民が安心して医療を受けられる基盤を堅持する」と強調した。庭田幸恵氏(国民民主党)への答弁。
また、庭田氏は、妊娠・出産に対する支援強化に関連し、今回の改正で正常分娩を現物給付化して妊婦に自己負担が生じない仕組みとする一方、帝王切開など異常分娩は従来通り保険診療として自己負担が生じることに対し、「出産に伴う負担の公平性をどのように確保していくのか」とただした。
上野厚労相は、異常分娩など保険診療を伴う医療行為で発生する自己負担を軽減するため、「自己負担などに充当できる現金給付(出産時一時金)を創設する」と説明。
政令事項となっている現金給付の水準については、保険料への影響に留意しつつ、関係者の意見を聞きながら丁寧に検討するとした。
代表質問には、庭田氏、自見はなこ氏(自民党)、小西洋之氏(立憲民主党)、川村雄大氏(公明党)、猪瀬直樹氏(日本維新の会)、岩本麻奈氏(参政党)、白川容子氏(共産党)の7氏が登壇した。
小西氏は、令和8、9年度と段階的に実施する予定の高額療養費制度の自己負担限度額引き上げに批判的な見解を示した上で、公明と共同で修正案提出に向けた検討を進めていると述べた。
猪瀬氏は、後期高齢者の保険料算定に金融所得が反映されることで、保険料賦課ベースが拡大されるとし、その増収効果を現役世代の負担軽減に活用するよう主張した。具体策として、給付費に占める後期高齢者の保険料負担割合(後期高齢者負担率)と、現役世代が負担する後期高齢者支援金の割合を変更すべきと提起した。
高市首相は、金融所得への反映が施行されるまでに、「高齢者間の負担の公平性の確保や現役世代の負担軽減の観点から、どのような対応が考えられるのか検討する」と答弁した。
猪瀬氏の主張と高市首相の答弁は、自民、維新両党が昨年12月に取り交わした政調会長間合意の内容を踏まえたもの。
合意では、保険料と窓口負担割合への金融所得の反映が施行されるまでの間に、「反映による給付費の減少分や保険料の増収分による高齢者間における負担の公平性の確保や現役世代から後期高齢者への支援金のあり方について、引き続き検討を行う」とされている。
金融所得の反映は、改正法が成立、公布されてから4~5年程度かかると見込まれている。