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健保ニュース 2024年1月中旬号

健保連が6年度予算等で見解
本体・介護報酬改定率引き上げに遺憾表明
メリハリ効いた報酬配分を

健保連は12月22日、令和6年度診療報酬・介護報酬改定率等を含む政府予算案、「こども未来戦略」、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」等が閣議決定されたことを受け、佐野雅宏副会長名による見解をまとめた。

健保連は、6年度の診療報酬改定について、医療保険関係6団体共同で、「患者の負担増や保険料の上昇に直結する安易な診療報酬の引き上げを行う環境にはない」と武見敬三厚生労働大臣に要請。合わせて、介護報酬改定についても国の審議会等で「利用者負担や保険料負担など国民の負担増に直結する点を踏まえれば、報酬を引き上げる環境にはない」と主張してきた。

今般決定された診療報酬本体改定率は0.88%(薬価等▲1.00%)、介護報酬改定率は1.59%の引き上げとなったことに対し、「近年としては高い水準であり、誠に遺憾」と表明。

改定財源の大宗を賃金が相対的に低い職種の処遇改善に充当することや、医療における入院時食費負担額の引き上げについては賃金・物価の動向を踏まえた対応と理解を示すとともに、生活習慣病を中心とした診療報酬の見直しによる効率化・適正化が明示されたことは、患者負担や保険料負担への配慮と評価した。

一方、介護保険制度の見直しに関しては、利用者負担が2割となる「一定以上所得」の見直しについて、「十分な議論も行われず、またしても先送りされたことは到底納得できない」と苦言を呈した。

医療保険制度・介護保険制度において、現役世代の負担軽減は制度の持続可能性確保のために極めて緊急度の高い課題だとして、より踏み込んだ給付と負担の見直しの早急な検討および確実な実施を期待。

健保連として、政府方針を受け止めつつ、効率的で質の高い、国民が安心できる医療と介護の実現に向け、従来以上にメリハリの効いた報酬配分を主張するとした。

さらに、全世代型社会保障構築の観点から、「こども未来戦略」で、少子化対策の安定財源確保に向けて支援金制度を構築するとともに、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」に沿って歳出改革に取り組んでいくとされたことを受け、「少子化対策は国としての喫緊の課題であり、健保組合・健保連としてもしっかり協力して、現役世代の負担軽減に向けた徹底した歳出改革や国民に対する丁寧な周知・説明など、引き続き国に対して強く要望していく」との姿勢を示した。

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