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健保ニュース 2024年1月中旬号

政府が「改革工程表2023」
社会保障 医療DX推進など政策目標
地域医療構想の対応強化

政府の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)は12月21日、2024~2026年度の3か年を期間とする「新経済・財政再生計画改革工程表2023」を決定した。

「改革工程表」は、「新経済・財政再生計画」に掲げられた主要分野ごとの重要課題への対応とKPI、それぞれの政策目標とのつながりを示すことにより、めざす成果への道筋を明示。

社会保障分野では、生産年齢人口減少が進むなかでの重要性に鑑み、「医療・介護分野におけるDXの推進、ロボット、AI、ICT等のテクノロジーなどの最新技術の活用」に関する工程を充実強化する。

また、社会保障分野に関する一体改革のこれまでの検討成果を取り込むなど、全世代型社会保障の構築に向けた改革工程と連携することとした。

政策目標は、①医療・介護分野におけるDX推進、最新技術の活用による保健・医療・介護のサービスの効率化、生産性の向上②予防・健康づくりの推進や高齢者の就業・社会参加に向けた健康寿命の延伸③被用者保険の適用拡大等の検討や高齢者の雇用機会のさらなる拡大に向けた環境整備④医療・介護提供体制の効率化やサービスの生産性・質の向上による1人当たり医療費・介護費の地域差縮減等⑤保険給付の効率的な提供や自助、共助、公助の範囲の見直しによる国民皆保険制度の持続可能性の確保─を設定。

このうち、①は、「オンライン資格確認の推進とマイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速」を具体的な取り組み事項とし、「国民が健康・医療情報にもとづいたより良い医療を受けることが可能となるよう、2024年秋に健康保険証を廃止する」との工程を明記。

また、「電子処方箋の利活用」では、「2025年3月末に、オンライン資格確認等システムを導入した施設の概ねすべての医療機関および薬局での導入」を成果測定のためのアウトカム指標として設定した。

④は、「地域医療構想の実現、大都市や地方での医療・介護提供にかかる広域化等の地域間連携の促進」について、▽各医療機関の対応方針の策定率(2025年度に100%)▽対応方針の検討状況等の公表率(100%)─を進捗状況測定のためのアウトプット指標として設定。また、アウトカム指標として、「地域医療構想の2025年における医療機能別の必要病床数を達成するために増減すべき病床数に対する実際に増減された病床数の割合」を「2025年度に100%」と設定した。

他方、「2023年度末までにすべての都道府県で80%以上」と設定していた「後発医薬品の使用割合」の目標について、「2024年度以降の目標は2023年度内に策定」とした。

⑤は、医療における「現役並み所得」の判断基準の見直しについて、2024年度までに検討を行うと明記。見直しにあたっては、現役世代の負担が増加することや、2022年10月に施行された後期高齢者医療制度における窓口負担割合の見直し(一定以上所得のある者への2割負担の導入)の施行状況等に留意することとした。

岸田首相は、本工程表を踏まえ、EBPM(証拠にもとづく政策立案)の強化や分野間の政策連携を通じて政策の相乗効果を高めるとともに、改革を必ず実現するという強い覚悟の下、政府一体となって取り組むよう関係大臣に指示した。

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