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健保ニュース 2023年10月中旬号

規制改革会議が新体制で初会合
5WG設置 6年夏の答申へ検討着手
年内に中間取りまとめ

政府の規制改革推進会議は16日、新体制下で初会合を開催した。規制・制度改革を通じ▽人材不足の解決▽賃上げ▽投資の拡大─の実現をめざす。「健康・医療・介護」をはじめとする5つのワーキング・グループ(WG)を設置し、検討を進め、令和6年夏を目途に答申を取りまとめる。

岸田文雄首相は同日の会合で、可能なものから10月末に取りまとめる「経済対策」に盛り込み、年内に中間取りまとめを行うよう要請。河野太郎デジタル相に対し、「可能なものはスケジュールを前倒しして、スピード感のある規制改革を進めてもらいたい」と指示した。

規制改革推進会議の委員任期は2年とされ、前期の委員任期は今年6月の答申後、翌7月に満了。一部の委員が交代した新体制下で初となるこの日の会合では、冨田哲郎氏(東日本旅客鉄道株式会社取締役会長)を議長に互選した。

規制改革推進会議に新たに設置するWGは、▽健康・医療・介護▽公共▽スタートアップ・投資▽働き方・人への投資▽地域産業活性化─の5つ。このうち健康・医療・介護WGは、「経済対策」を踏まえた緊急に対応すべき課題として▽オンライン診療のさらなる普及・促進▽地域における持続可能な在宅医療提供体制の構築▽診療報酬、介護報酬における常勤・専任要件等の緩和▽高齢者施設における人員配置基準の特例的な柔軟化─などの対応を図る。

答申に向けては、▽医薬品や医療サービスへのアクセス等▽プログラム医療機器の開発・市場投入の促進─などを当面の重要課題に挙げた。健康・医療・介護WGの座長には前期に引き続き佐藤主光氏(一橋大学経済学研究科教授)が就いた。

月末の経済対策をにらみ
議論のスピード重視

この日の会合では、岸田首相が月末の「経済対策」に向けて、オンライン診療をはじめとする課題の検討を加速するよう指示。あわせて、▽兼業・副業の円滑化を始めとする雇用関係の制度の見直し▽医療・物流・建設等の分野における革新的サービスの社会実装▽GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などの国内投資拡大などに向けた規制改革─を進めるよう求めた。

会議終了後に開かれた記者会見では、冨田議長が登壇。初回から活発な意見が交わされるなか、▽人口減少化における人材不足とそれに対応するためのデジタル技術を中心とした技術の活用▽規制改革のスピード感─の2つの観点が委員の問題意識の共通点と紹介し、「スピードを意識して議論を進めていきたい」と抱負を語った。

また、河野デジタル相が、「悪しき前例主義を打破し、国民の皆さんが人口減少や高齢化が進むなかでも豊かで便利な生活を送ることができる社会をつくりたい」との意向を表明した。

河野デジタル相は、記者から質問を受け、政府のデジタル行財政改革会議が行財政改革の司令塔として新設されたことを踏まえた規制改革推進会議とのすみ分けについて回答した。会議での課題の取り扱いは、議長、議長代理、座長に任せるとの考えを示したうえで、「規制改革が必要な事項は山積み」と言及。両会議の検討範囲を予め線引きせずに検討を進めるとした。

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