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健保ニュース 2023年9月中旬号

外来・かかりつけ医機能など
厚労省が次期改定へ意見整理
中医協 次回以降、個別具体的な議論

厚生労働省は、4月から8月の第1ラウンドで議論してきた令和6年度の次期診療報酬改定の論点に対する意見を整理し、8月30日に開催された中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)総会に報告した。

社会保障審議会医療保険部会・医療部会が12月上旬に策定する「令和6年度診療報酬改定の基本方針」への反映を視野に、両部会にも報告する。

中医協総会は、「意見の整理」を踏まえつつ、次回以降の第2ラウンドから、小委員会や専門部会と並行し、個別具体的な改定項目にかかる論議を進めていくこととした。

厚労省は、1月18日の中医協総会に、6年度の次期改定に向けた第1ラウンドの検討内容として、▽第8次医療計画▽医師の働き方改革▽医療DX▽入院▽外来▽在宅▽歯科▽調剤▽感染症▽個別事項─を提示。

社保審の医療保険部会、医療部会における「改定の基本方針」の検討も見据え、この日の会合では、これまで中医協総会で議論してきた次期改定の論点に対する意見を整理した。

「医療DX」では、8月2日の中医協総会で了解された「6年度診療報酬改定施行時期の後ろ倒し」について、「医療機関・薬局やベンダだけでなく、保険者も診療報酬改定に合わせて基幹業務システムの改修対応や予算編成対応等の通常業務に影響するため、丁寧な議論をお願いしたい」との意見を明記。

「外来」は、「かかりつけ医機能」について、「6年度改定に向け、医療法とも整合する形の体系的な見直しを行うべき」、「連携はかかりつけ医機能の重要な要素であり、輪番制を含めて、時間外の対応を進めるべき」などの意見を盛り込んだ。

また、「生活習慣病対策」について、「特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料の対象となっている患者像を分析し、議論を深めていくべき」、「地域包括診療加算と特定疾患療養管理料が併算定できることも踏まえ、単純に加算を新設する発想でなく、既存のかかりつけ医機能の評価について体系的に整理すべき」などの意見を列挙した。

「入院」は、「急性期入院医療」について、「高度かつ集中的な医療を必要とする患者への対応に重点化されるよう、機能分化による効率的な医療をさらに評価すべき」との意見を明記。

「調剤」は、「薬局は、地域で24時間対応を含めた連携体制が図れているのかという点を評価していくべき」、「地域支援体制加算は、体制や機能が充実している薬局を評価すべき」などの意見を盛り込んだ。

「個別事項」の「働き方改革の推進」は、「地域医療体制確保加算は医師の労働時間短縮の取り組みが進む施設基準であるべき」とした支払側の意見、「診療報酬等で支援されているが、医療従事者の働き方改革は一朝一夕にできるものではなく、さらなる強力な支援が必須」とした診療側の意見を併記した。

健保連の松本真人理事は、「今後出てくる改定検証調査の結果や、分科会等で議論が進められているテーマもある」と言及し、これまで議論していない事項も含め次回以降、検討を深めていきたいとの考えを示した。

支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「質の高い医療提供体制を維持しつつ、医療保険制度の安定性、持続性を維持していくことは極めて重要」と指摘し、効率化、適正化を通じた取り組みを進めていく必要があると強調した。

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