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健保ニュース 2023年6月中旬号

規制改革会議が答申取りまとめ
5年度中にレセ一元管理を検討

政府の規制改革推進会議(議長・大槻奈那名古屋商科大学ビジネススクール教授、ピクテ・ジャパン シニア・フェロー)は1日、国家戦略特別区域諮問会議との合同会議を開き、規制改革推進に関する答申を取りまとめた。答申では、被用者保険の電子レセプトを社会保険診療報酬支払基金が保管する「レセプト原本の一元管理」について、5年度に検討を行い、結論を得ることとした。

規制改革推進会議が答申に盛り込んだ規制改革の実施事項は263(前年度比68項目減)で、政府が近く閣議決定する「規制改革実施計画」に反映させる。

規制改革推進会議は昨年10月から▽スタートアップ・イノベーション▽人への投資▽医療・介護・感染症対策▽地域産業活性化▽共通課題対策─の重点分野に対応したワーキング・グループを設置し、検討を進め、同年12月の中間取りまとめを経て、答申を取りまとめた。

重点分野のうち、医療・介護・感染症対策では、①デジタルヘルスの推進②医療関係職種の偏在への対応③医療機関や介護施設等における生産性の向上や働き方の多様性への配慮─を柱に据えた。

①では、医療等データの利活用やデジタル技術の活用による健康管理、重症化防止などを実現することで結果的に医療・介護制度への負担を軽減する。

レセプト原本の一元管理は、「審査支払機能の在り方に関する検討会報告書」(3年3月)において、▽支払基金が保険者に電子レセプトのアーカイブ機能を提供して原本保管を行う案▽支払基金が写しレセプトを保存してそれにより再審査を行う案─の2案に対する意見を列記し、継続検討を求めた。答申では、これを踏まえ、厚労省が主体的に関係者との調整を進め、5年度に結論を得ることとした。

支払基金における審査委員会費については、▽5年度にAIの活用による効率化を反映して削減される仕組みを検討▽都道府県審査委員会ごとの審査委員会費の額と内訳を5年度以降毎年度公表─することを厚労省に求めた。

また、柔道整復療養費について、厚労省が原則オンライン請求とするために必要な措置を検討し、6年度に結論を得ることとした。あわせて、この検討結果を参考に、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費のオンライン請求の導入を検討し、早期に結論を得ることも求めた。

マイナンバーカードによるオンライン資格確認については、5年度に法律にもとづく公費負担医療制度等の資格確認を可能とする措置を実施し、同年度に所要のシステム構築に着手する。

また、乳幼児の医療費無償化などを行っている地方単独医療費等助成についても6年度に相当数の地方公共団体においてマイナンバーカードによる資格確認を可能とするための所要のシステム構築その他環境整備を実施し、地方公共団体に対し対応を要請。この状況を踏まえ、審査支払業務を審査支払機関に委託することで一時的な患者等の窓口負担をなくす方針を示した。

オンライン診療については、今般、へき地等に医師が常駐しない診療所を開設可能としたことを踏まえ、へき地等に限らず開設可能とすることについて、5年に結論を得るとした。

要指導医薬品のオンライン服薬指導は、政府全体で対面規制の見直しが進められていることを踏まえ、5年度に対象範囲および実施要件を検討し、方向性について結論を得て、可能な限り速やかに措置を講じる。

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