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健保ニュース 2023年6月中旬号

資格書発行などマイナ法が成立
6年秋に保険証を廃止

令和6年秋の健康保険証廃止とそれに伴う資格確認書の発行などを盛り込んだ「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」(マイナンバー法)が2日、参院本会議で自民・公明両与党などの賛成多数により原案どおり可決、成立した。

法案審査した参院の地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会(鶴保庸介委員長、自民)では5月31日に、賛成多数で可決。あわせて、20項目の附帯決議を採択した。

改正マイナンバー法は、①マイナンバーの利用範囲の拡大②マイナンバーの利用および情報連携に係る規定の見直し③マイナンバーと健康保険証の一体化④マイナンバーカードの普及・利用促進⑤戸籍等の記載事項への「氏名の振り仮名」の追加⑥公金受取口座の登録促進─を柱とする。

③は、マイナンバー法とともに医療保険各法を改正。健康保険証を廃止するとともに、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない者への「資格確認書」を提供する。また、乳児に交付するマイナンバーカードは顔写真を不要とした。

④は、振り仮名を戸籍、住民票等の記載事項に追加することで公的に証明するとともに、マイナンバーカードの記載事項等にも追加することで各種手続きの本人確認で利用できるようにする。

施行時期は原則、公布後1年3月以内とした。
 同法は4月27日に衆院を通過、参院では翌28日の本会議で河野太郎デジタル相による趣旨説明と各党代表者による質疑を行い、審議入りした。

その後、特別委員会では大型連休をはさんで最初に開催された5月12日から審議がはじまり、同日には参考人の招致(5月17日)を了承。早期成立が想定されたが、12日の閣議後記者会見で、記者が加藤勝信厚生労働相、河野デジタル相、松本剛明総務相らにマイナンバーと健康保険証情報の紐づけに誤りが発覚したことを質した。先に表面化していたコンビニ交付サービスにおける誤交付のほか、公金受取口座、マイナポイントといったマイナンバーカード関連サービスの誤登録が相次いで判明。加藤厚労相や河野デジタル相、関係省庁の出席者が特別委員会で答弁に立った。

特別委員会は17日に予定どおり参考人招致し、19日に質疑を行ったところで中断。29日に再開すると、31日の午前に参院厚生労働委員会(山田宏委員長、自民)との連合審査を開き、この日の午後に特別委員会を開催。特別委員会では、予定の質疑を終えると休憩を挟み理事会、理事懇談会で1時間にわたり採決に向け調整を図った。再開後、討論に続いて、採決を行い、マイナンバー法を可決した。

特別委員会の審議では、マイナンバーカード関連サービスの誤登録等の問題を受け、実態調査の結果が出るまで採決を延期するべきとの意見が、法案に反対した立憲民主党などからだけでなく、賛成した国民民主党からも出された。

同党の芳賀道也氏は29日の質疑で健保組合の負担について言及。マイナンバーと健康保険証情報の紐づけの点検を踏まえ、「健保組合の経営も非常に大変だ」として、国の政策で保険者が負担を負うことがないよう求めた。

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