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健保ニュース 2023年4月上旬号

全世代型社会保障の構築へ
健保法等改正案が衆院審議入り
現役世代の負担軽減へ 健保組合の財政支援拡充

全世代対応型の社会保障への転換に向け、現役世代と後期高齢者の支援金負担率の見直しや健保組合への財政支援など現役世代の負担軽減策を盛り込んだ「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」(健保法等改正案)が3月16日、衆院本会議で加藤勝信厚生労働相による趣旨説明、岸田文雄首相および加藤厚労相と各党代表者による質疑を行い、審議入りした。同法案は付託を受けた衆院厚労委員会でも22日に加藤厚労相から趣旨説明があり、実質的な審議がスタートする。なお、同法案は今国会における重要広範議案に位置づけられた。

3月16日の衆院本会議では、加藤厚労相が健保法等改正案の提案理由について、まず現下の状況をもとに、「本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えるなか、人口動態の変化や経済社会の変容を見据えつつ、すべての世代が公平に支え合い、持続可能な社会保障制度を構築することが重要」と指摘。こうした状況を踏まえ、「すべての世代が安心して生活することができる『全世代対応型の持続可能な社会保障制度』を構築すること」が目的だと説明した。

続いて、同法案の概要を説明。後期高齢者医療関係では、▽後期高齢者支援金の算定にかかる「後期高齢者負担率」の設定方法について、「後期高齢者1人当たりの保険料」と「現役世代1人当たりの後期高齢者支援金」の伸び率が同じとなるよう見直し▽出産育児一時金の費用の一部に後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入▽後期高齢者支援金等の負担が大きくなる場合の財政支援の拡充─を実施するとした。

さらに高齢者医療に関しては、前期高齢者に係る医療給付費等を調整する仕組みについて、被用者保険者における報酬割を導入することとし、経過措置として存続する退職者医療制度について、対象者の減少や保険者等の負担を踏まえて廃止することとした。

医療提供体制に関しては、かかりつけ医機能について国民への情報提供を強化するとともに、かかりつけ医機能の報告を踏まえて地域におけるかかりつけ医機能の確保に必要な事項を協議し、その結果を踏まえて医療や介護の各種計画に反映する。

施行期日は、一部を除き、令和6年4月を予定した。
 代表質疑では、▽新谷正義氏(自民党)▽井坂信彦氏(立憲民主党)▽池下卓氏(日本維新の会)▽佐藤英道氏(公明党)▽田中健氏(国民民主党)▽宮本徹氏(日本共産党)─の6氏が質疑に立った。

新谷氏からめざすべき全世代型社会保障の理念と意義について問われ、岸田首相は法案にもとづく改革を通じ、「すべての世代が安心して生活できる全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築する」と表明した。

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