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健保ニュース 2023年3月中旬号

電子処方箋推進協議会が初会合
普及拡大へ進め方を確認
6年度末まで 全施設への導入めざす

厚生労働省の「電子処方箋推進協議会」は2月27日、初会合を開き、電子処方箋の普及拡大に向けた今後の進め方を確認した。

同会は、令和5年1月26日から運用が始まった「電子処方箋」の利用施設の増加を図る観点から、▽電子処方箋が利用可能な地域数の増加状況・周知広報▽導入状況の報告、課題共有▽モデル事業の進捗▽導入促進のためのさらなる方策▽その他─などを検討する。

厚労省は、電子処方箋の普及拡大に向け、3段階で進めていく方針を示した。
 第1段階では、▽国民が電子処方箋の利用可能な地域を全国的に確保▽電子処方箋のメリットを周知広報▽5年度予算案などを活用した早期導入の呼びかけ─を実施する。

第2段階では、オンライン資格確認等システムの経過措置終了後の5年9月以降に、▽システムベンダの改修余力が出てくるタイミングで全国での普及拡大を加速化▽電子処方箋の機能拡充および利便性を向上▽普及導入加速化のためのさらなる方策検討─などを実施。

電子処方箋の機能拡充について厚労省は、9月以降、リフィル処方箋の全国での普及をめざすと説明した。

第3段階では、7年3月末までに、概ねすべての医療機関・薬局への導入をめざすこととした。

会合であいさつした加藤勝信厚生労働相は、「電子処方箋は単に紙の処方箋を電子化するものでなく、薬剤情報のリアルタイムでの共有や、併用禁忌・重複投薬の自動チェックが可能になるなど、医療DX推進のための柱となるもの」との認識を示し、「医療のあり方自体を抜本的に改革する取り組みだ」と強調。

そのうえで、全国各地で電子処方箋のメリットを実感できるよう、厚労省として全力で取り組んでいく意向を示した。

この日の会合では、参考人として出席した島貫隆夫氏(日本海総合病院院長)から、電子処方箋モデル事業の取組報告を受けた後、厚労省が電子処方箋の導入状況等を説明し、診療側を中心とした構成員と意見交換を行った。

厚労省は、2月19日時点で、全国684施設(病院6、医科診療所38、歯科診療所8、薬局632)で電子処方箋の運用が開始されたと説明。また、電子処方箋利用のため、システム改修の事前申請を行った施設数は4万412施設(病院930、医科診療所1万5580、歯科診療所8754、薬局1万5148)だったことを明らかにした。

一方、電子処方箋の導入が進まない要因として、オンライン資格確認導入対応等によるシステムベンダの業務のひっ迫や、医療機関・薬局で電子処方箋の発行および閲覧に必要な「HPKIカード」の取得が進んでいないことなどをあげた。

長島公之構成員(日本医師会常任理事)は、「多くの医療機関・薬局で電子処方箋を導入することが重要であり、普及拡大に向け全力で協力する」と言及。

そのうえで、普及拡大のための費用が大きな課題になるとの認識を示し、「国による全額負担が普及を進める」との観点から、政府に補助金の拡充を要望した。

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