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健保ニュース 2022年11月中旬号

マイナ活用で社会保障制度充実
岸田首相 ロードマップ策定を指示

政府は2日、経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)を開催し、マイナンバー活用による生活・社会保障の向上をテーマに議論した。

この日の会合では、民間議員が、「マイナンバーの利活用拡大による国民の利便性向上に向けて」と題する意見書を提出し、①マイナンバーを活用した行政DXの推進と国民の利便性向上②マイナンバーの利活用拡大を基礎とした社会保障制度等の充実─を提言した。

意見書は、「骨太方針2015」で掲げたマイナンバーを用いた所得・資産情報と社会保障制度・税制の連携が進んでいない背景に、国民の個人情報流出への懸念、利用にメリットが感じられないことがあると指摘。

また、今後、人口減少、少子高齢化が急速に進むなかで、応能負担を徹底した効率的な社会保障制度を実現することは、分厚い中間層を強化するとともに、必要な者に必要な支援を十分に提供するため「待ったなしの課題である」と強調した。

このため、①は、オンライン資格確認システムや電子処方箋の導入・本格運用のもと、健康保険証とマイナンバーカードの一体化、電子カルテの標準化および全国医療情報プラットフォームの構築を早期に実現するほか、医療・介護費の適正化とサービスの質の両立を図り、診療報酬業務等も含めた医療現場や自治体の業務効率化等の整備を進めるべきと提言。

また、マイナンバーカードを用いた資格確認等も活用し、コロナ禍で広く認識されたオンライン診療を強力に進めるべきと訴えた。

②は、▽マイナンバーがどのように利活用され、どういった利便性が実現するかという明確なビッグピクチャーの提示。データ利活用や個人情報保護に対する説明責任の充実▽マイナンバーに紐づいた所得等各種情報の充実▽情報連携拡大に向けたマイナンバー制度の改善▽マイナンバー利活用を前提とした給付と負担の制度改革─を並行して進める必要があると指摘。

こうした取り組みを通じ、個人が利便性を実感できる制度改革を進め、国民的理解を前提に、マイナンバー利用による幅広いプラスの波及効果を発現させていくべきとした。

そのうえで、まずは政府全体で改革の年限を区切った具体的なロードマップを策定し、関係府省によるスピード感をもった実行を促すとともに全体的な進捗を管理していくため、ロードマップ案を諮問会議に提出するよう求めた。

岸田首相は、「必要な方へきめ細やかな支援を届け、効率的な社会保障制度を実現するための鍵となるのがマイナンバーの利活用である」と言及。

マイナンバーを活用した制度充実の具体的なロードマップを整理したうえで、諮問会議に報告するよう後藤茂之内閣府特命大臣に指示した。

後藤大臣は、諮問会議終了後の記者会見で、デジタル庁や厚生労働省など関係省庁と連携して検討していくための場である「タスクフォース」を速やかに設置し、今月上旬にも検討を開始する考えを示した。

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