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健保ニュース 2022年8月下旬号

5年度予算概算要求基準を閣議了解
高齢化に伴う自然増は5600億円
重要政策推進枠を新設

政府は7月29日の臨時閣議で、令和5年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針を了解した。

「骨太方針2022」にもとづき、経済・財政一体改革を着実に推進する。歳出全般にわたって施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化する方針を示した。

医療や年金などの社会保障に関する国庫負担は、自然増として令和4年度当初予算から5600億円の上積みを認めたうえで、合理化・効率化に最大限取り組み、高齢化による増加分に相当する伸びにおさめた結果を5年度予算に反映する。

4年度予算では、高齢化に伴う自然増を6600億円と見込んだうえで、薬価のマイナス改定や4年10月1日から施行する一定の所得がある後期高齢者における医療費の2割負担導入などの改革努力により▲2200億円程度を合理化・効率化し、社会保障関係費の実質的な伸びを4400億円に抑制した。

一方、5年度予算は、新型コロナウイルス感染症に伴う受診控えなどの影響で、高齢化に伴う自然増を前年度比1000億円減の5600億円と見込んだ。

「義務的経費」は、前年度当初予算額の範囲内で要求。義務的経費を削減した場合には、同額を「裁量的経費」で要求可能とする。「その他の経費」は、前年度当初予算額を1割削減する「要望基礎額」の範囲内で要求することとした。

さらに、「骨太方針2022」、「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」を踏まえ、▽人への投資▽科学技術・イノベーションへの投資▽スタートアップへの投資▽GXおよびDXへの投資─への予算の重点化を進めるとともに、エネルギーや食料を含めた経済安全保障を徹底するための「重要政策推進枠」を新設。

各省大臣は、前年度当初予算における「その他の経費」に相当する額と「要望基礎額」の差額を3倍した額および「義務的経費」が前年度当初予算を下回る場合の差額を3倍した額の範囲内で要望できる。

前年度と同様、8月末日を要求期限とした。
 新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策等を含めた重要政策などは、予算編成過程における検討事項に位置づけた。

消費税率引き上げに伴う社会保障の充実、子育て層支援・介護人材の確保については、前年度当初予算の例にもとづき所要額を要求するものとし、その対前年度からの増加の取り扱いも予算編成過程で検討。

また、「骨太方針2022」に盛り込まれた「少子化対策・こども政策」の対応も、予算編成過程で検討するとした。

岸田文雄首相は、臨時閣議に先立つ政府与党政策懇談会で、「5年度予算編成では、これまでの歳出改革努力を継続し、経済成長と財政健全化をしっかりと進める必要がある」と言及。

5年度予算の概算要求基準は、こうした方針に沿ったものであるとの認識を示し、与党幹部および関係閣僚に協力を要請した。

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