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健保ニュース 2022年4月下旬号

歯科用貴金属の素材価格急騰
中医協 5月に特例的な緊急改定

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は13日、総会を開催し、歯科用貴金属材料の価格について、特例的に緊急改定を行う対応を承認した。

ウクライナ情勢という想定されていなかった特殊事情により歯科用貴金属の素材価格が急騰している事態を踏まえ、令和4年1月から3月の平均素材価格を用いて告示価格を算出し、5月に緊急改定を行うこととした。

変動率が告示価格の±5%、±15%を超えた場合に実施している歯科用貴金属材料価格の随時改定について、4年度診療報酬改定では、変動幅にかかわらず、素材価格に応じ年4回(4月、7月、10月、1月)改定する方法に見直した。

この日の会合では、厚生労働省が、歯科用貴金属材料のうち、ウクライナ情勢下でパラジウムの素材価格の急騰がみられる事態を課題に位置づけた。

4年7月の随時改定を待たず、特例的に4年1月から3月の平均素材価格を用いて告示価格を算出し、5月に緊急改定を行う対応を提案。

緊急改定を行う場合の歯科用貴金属の告示価格は、▽歯科鋳造用14カラット金合金 インレー用(JIS適合品)6019円(現行5607円)▽歯科鋳造用金銀パラジウム合金 (金12%以上JIS適合品)3413円(同3149円)─などいずれも値上げとなり、患者の自己負担も増える。

健保連の松本真人理事は、「素材価格の乱高下にフレキシブルに対応するため、4年度改定で見直しを行ったにもかかわらず、今回の対応が提案されたことは疑問を感じざるを得ない」と言及。

中医協で決定したルールを度外視した運用を繰り返すことは診療報酬制度の信頼を損なうおそれがあると指摘し、緊急改定を今回限りの対応とするほか、貴金属に依存しない新たな材料の開発を着実に進めるよう要望した。

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