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健保ニュース 2022年4月下旬号

諮問会議が「骨太」へ社保改革を議論
民間議員 現役世代の負担抑制を提言
岸田首相がリフィル促進を明言

政府の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)は13日、6月を目途に策定する「骨太の方針2022」に向けて、社会保障改革をテーマに議論した。

民間議員は、給付と負担のあり方の見直しによる現役世代の社会保険料負担の増加抑制や、保険者インセンティブ措置の活用による「リフィル処方箋」の普及・定着などを提言した。

岸田首相は、「コロナ禍での経験や受診行動の変容を踏まえ、かかりつけ機能が発揮される制度整備や新たに導入したリフィル処方の使用促進など、医療・介護サービス改革の継続・強化に取り組む」と明言。

今夏に取りまとめる「骨太方針」に向けて、関係会議と連携しつつ、さらに議論を加速し、速やかに具体策の策定に取り組むよう指示した。

鈴木俊一財務大臣は、かかりつけ医の制度化などについて、「手を緩めることなく着実に推進していくべき」と言及したほか、「リフィル処方箋は診療報酬改定の目玉である」と強調し、周知広報の徹底などで利用を促進する必要があるとした。

山際大志郎内閣府特命担当大臣は、「少しでも効率化、適正化していくため、リフィル処方箋を使用した薬剤の投与は喫緊の課題として共通認識を持っている」と述べ、岸田内閣で前に進めていく意向を示した。

この日の会合では、民間議員が、「成長と分配の好循環実現に向けた社会保障改革」と題する意見を提出した。

少子高齢化が加速するなか、誰もが安心できる全世代型社会保障の構築に向けて、多くの高齢者が支え手に回るとともに、若者・女性の活躍を支援することが不可欠と見通した。

2025年にかけての後期高齢者の急増、2040年以降の高齢化のピークを見据え、人口動向の変化を踏まえつつ、必要な課題を整理し改革事項を工程化すべきと指摘。

給付と負担のあり方を見直し、現役世代の社会保険料負担の増加を抑制することで、将来世代に負担を先送りすることのないよう釘を刺した。

医療・介護サービス改革の継続・強化に向けては、社会保障の充実と成長力強化の両面に資する経済・財政一体改革を工程表にもとづき推進して医療・介護費の適正化を進めるとともに、技術革新を通じたQOLや生産性の向上に取り組むべきとの方向性を示した。

新型コロナウイルス感染症対応のこれまでの経験や検証から、コロナ入院患者受け入れ医療機関に対する財政支援の手法について、診療報酬による災害時の概算払いを参考に見直しを図るべきと改めて明記。

さらに、投薬をはじめとする受診行動の変容を踏まえ、通院回数の削減による患者負担の軽減を図る観点から、「リフィル処方箋」の使用を患者側の希望を確認・尊重する形で促進し、後期高齢者支援金の加減算など保険者へのインセンティブ措置も活用して一気に普及・定着を図るよう提言した。

地域医療構想は、民間も含む各医療機関の対応方針策定や検証・見直しを着実に進め、入院・救急を中心とする高次機能の集約化と在宅医療を含めた「かかりつけ機能」への分化を大きく推進していくべきと強調。

かかりつけ医機能の推進については、診療所・医師の「かかりつけ機能」を制度化(要件を満たす診療所を自治体等が認定、利用希望の患者が登録)することなどを想定した。

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