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健保ニュース

健保ニュース 2021年9月上旬号

健保組合の令和元年度特定健診データ分析
40~74歳 4割近くが「肥満該当者」
非肥満に比べ複数リスク保有

 健保連はこのほど、健保組合に加入する40~74歳の健診検査値からみた受診者の健康状態に関する令和元年度調査の結果を公表した。それによると、受診者の4割近くが「肥満該当者」で、被扶養者に比べ被保険者の割合が圧倒的に高いことが明らかになった。

調査は、514組合の特定健診受診者457万947人のデータをもとに、健診検査値の判定基準に基づく該当者の分布状況や保健指導対象者の階層化状況を調べ、健康状態について考察した。

健診受診者の腹囲判定別(非肥満・肥満)の該当者割合をみると、「非肥満」が60.8%、「肥満」が39.2%となっており、健診受診者の4割近くが肥満に該当している。

年齢階層別にみると、肥満該当者の割合は、どの年齢階層においても3割から4割を占め、特に60歳代が高い傾向にある。被保険者・被扶養者別にみると、肥満該当者の割合は、被保険者42.6%、被扶養者19.1%と、被保険者の割合が圧倒的に高い。

また、特定保健指導の判定に使用される血圧、脂質、血糖の3つの検査項目のうち、全ての項目で基準範囲内の受診者の割合は、非肥満該当者は全体の31.0%と3割を超えるのに対し、肥満該当者は6.9%と1割に満たない。

健診判定値区分別の該当者割合をみると、血圧は「基準範囲内」の65.6%に対し、「保健指導判定値」は16.2%、「受診勧奨判定値」は18.2%で、保健指導判定値以上の該当者は34.4%。脂質は、「基準範囲内」37.4%に対し、保健指導判定値以上の該当者は62.6%(保健指導判定値29.7%、受診勧奨判定値32.9%)。血糖は、「基準範囲内」67.7%に対し、保健指導判定値以上の該当者は32.2%(保健指導判定値26.9%、受診勧奨判定値5.3%)だった。保健指導判定値以上の該当割合は、いずれも被扶養者より被保険者の方が高く、年齢階層が上がるにつれて高い傾向があるが、脂質は55歳以降では被保険者より被扶養者の方が高かった。

腹囲判定別に、血圧、脂質、血糖の3つの検査項目のうち、いずれか1つあるいは複数項目について保健指導判定値以上に該当するリスク保有者の割合をみると、「非肥満」では44.8%、「肥満」では77.9%となっており、肥満該当者の方がリスク保有者の割合が高くなっている。

保健指導判定値以上のリスク保有者のリスク数の割合をみると、非肥満該当者では、「リスクなし」55.2%、「リスク1つ」31.5%、「リスク2つ」11.5%、「リスク3つ」1.9%となっている。それに対し、肥満該当者では、「リスクなし」22.1%、「リスク1つ」37.0%、「リスク2つ」30.3%、「リスク3つ」10.7%と、肥満該当者は非肥満該当者に比べ、「リスク2つ」は2.6倍、「リスク3つ」では5.6倍と複数のリスクを抱えていることもわかった。

また、被保険者の非肥満該当者は、「リスクなし」52.5%、「リスク1つ」32.8%、「リスク2つ」12.5%、「リスク3つ」2.1%。肥満該当者は、「リスクなし」21.4%、「リスク1つ」36.9%、「リスク2つ」30.7%、「リスク3つ」11.0%。被扶養者の非肥満該当者は、「リスクなし」66.4%、「リスク1つ」25.8%、「リスク2つ」7.0%、「リスク3つ」0.8%。肥満該当者は、「リスクなし」32.0%、「リスク1つ」37.9%、「リスク2つ」23.9%、「リスク3つ」6.2%で、複数のリスク保有割合は被保険者の方が高くなっている。

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