HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2021年5月下旬号

健保ニュース

健保ニュース 2021年5月下旬号

厚労省メディアス・2年度12月
概算医療費 前年比1.9%減少
4~12月では3.9%減に

厚生労働省の「最近の医療費の動向(メディアス)」令和2年度12月号によると、12月の概算医療費は前年同月比で1.9%減少し、前月の3.8%減に比べ減少幅は半減したが、休日数などの違いによる影響を補正すると前月の同1.1%減から同1.9%減へと減少幅は拡大することが明らかになった。

また、2年4月から12月までの9か月分の概算医療費は前年同期比3.9%減少。補正後では同4.6%減少しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う患者の受診控えの影響が如実に現れた結果となった。

2年の概算医療費をみると、1月(前年同月比1.2%増)、2月(同2.7%増)はプラスの伸び率となったが、新型コロナウイルス感染症の感染者数が拡大してきた3月に同1.2%減へと5か月ぶりにマイナスの伸び率に反転した。

緊急事態宣言が発令された4月は同8.8%減、5月は同11.9%減へと減少幅が拡大。感染者数が一定程度、落ち着いた6月(同2.4%減)以降、減少幅は縮小傾向にあり、10月に8か月ぶりにプラスの伸び率となったが、11月は同3.8%減に反転し、12月もマイナスの伸び率が続いた。

2年12月の制度別概算医療費をみると、被用者保険は本人同0.3%増、家族同8.4%減と家族の減少幅が大きく、全体で同2.7%減少した。国民健康保険は同1.8%、75歳以上の後期高齢者は同0.9%それぞれ減少。一方、未就学者は同16.5%減と大幅に減少した。
 1人当たり医療費は同1.6%減で、被用者保険が同2.7%減、国保が同0.2%減、後期高齢者が同1.5%減となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院が同2.5%減、医科入院外が同2.9%減、歯科が同3.2%増、調剤が同1.4%減で、歯科を除きマイナスの伸び率となった。

医科入院は1日当たり医療費が同3.1%増で受診延日数が同5.5%減、医科入院外は1日当たり医療費が同6.6%増で受診延日数が同8.9%減、歯科は1日当たり医療費が同5.6%増で受診延日数が同2.3%減、調剤は処方箋当たり医療費が同8.3%増で処方箋枚数が同8.9%減だった。

一方、2年4~12月の9か月分の制度別概算医療費をみると、被用者保険は本人が前年同期比1.5%減、家族が同10.8%減となり、全体で同4.8%減少した。国保は同4.7%減、後期高齢者は同2.9%減。未就学者は同22.1%減と2割超減少した。

1人当たり医療費は同3.6%減で、被用者保険が同4.9%減、国保が同2.4%減、後期高齢者が同4.0%減となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院の同3.5%減に対し、医科入院外は同5.7%減と大きく減少。歯科は同1.9%減、調剤は同3.1%減だった。

医科入院は1日当たり医療費が同2.3%増で受診延日数が同5.7%減、医科入院外は1日当たり医療費が同6.4%増で受診延日数が同11.4%減、歯科は1日当たり医療費が同6.8%増で受診延日数が同8.2%減、調剤は処方箋当たり医療費が同7.9%増で処方箋枚数が同10.2%減。

受診延日数は、医科入院外と調剤で前年同期と比較し10%を超える減少幅となっている。
 医療機関種類別概算医療費は、医科病院同3.8%減、医科診療所同6.6%減、歯科病院同8.1%減、歯科診療所同1.5%減、保険薬局同3.1%減、訪問看護同18.8%増で、訪問看護以外は減少した。

主たる診療科別医科診療所の医療費をみると、小児科(同26.5%減)、耳鼻咽喉科(同24.3%減)、外科(同11.9%減)で二桁を超えるマイナスの伸び率となった。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年