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健保ニュース 2021年4月下旬号

厚労省が次期改定論議の進め方
中医協 7月から論点整理に着手
支払側は検討前倒しを要望

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は14日、総会を開催し、令和4年度の次期診療報酬改定に向けた検討スケジュールを決めた。

7月からの第1ラウンドで新型コロナウイルス感染症の影響や社会情勢を踏まえた次期改定の論点に対する意見を整理し、9月以降の第2ラウンドから入院医療や外来医療など個別改定項目の議論を進めていく。

診療側は、次期改定はすべてにおいて新型コロナを考慮した検討が必要と強調。支払側は、コロナ禍の教訓を次期改定に生かすため、検討スケジュールの前倒しを求めた。

この日の会合では、厚生労働省が次期改定に向けた主な検討スケジュールを提案した。年明けの諮問・答申に向け、中医協総会では、7月以降、次期改定の論点等に対する意見を整理し、9月から個別テーマに関する議論を進めていくこととした。

これと並行して、診療報酬改定結果検証部会は夏頃に3年度調査を実施し、11月を目途に総会へ報告。入院医療等の調査・評価分科会は、夏頃に3年度調査を実施し、11月以降、取りまとめた結果を総会に報告するスケジュールを示した。

2年前の2年度改定に向けた検討では、第1ラウンドは4月から開始し、患者の疾病構造や受療行動等を意識した年代別の課題や、医療と関連性の高いテーマの課題について整理。

9月からの第2ラウンドは、外来・入院・在宅・歯科・調剤といった個別テーマに分け、具体的な診療報酬の評価に向けた検討を進めた経緯がある。

診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「次期診療報酬改定に向けた検討スケジュール案に異論はないが、すべてにおいて新型コロナを考慮した検討が必要であることは言うまでもない」と強調。

次期改定は、かつてない診療報酬改定となることは明らかであり、今まで通りの流れ、やり方では対応できないことも予想されるとの認識を示した。

他方、元年10月の消費税率引き上げに伴う診療報酬改定について、消費税の補填状況を速やかにかつ継続的に検証していくことになっていると指摘し、消費税分科会で補填状況の検討を行うよう要望した。

健保連の幸野庄司理事は、新型コロナへの診療報酬上の特例措置や患者の健康に対する意識・受療行動の変化、オンライン診療の活用方法のあり方など、この1年間で学んだコロナ禍での教訓を次期改定に生かすためには、「今まで以上に早く検討を開始すべき」と主張し、検討スケジュールの前倒しを求めた。

支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)も幸野理事の意見に同意し、「新型コロナの影響など不測の事態に備え、できるだけ早めに議論を開始するべき」と述べた。

厚労省保険局の井内努医療課長は、従来の診療報酬改定の延長線上ということだけでなく、新型コロナの影響や社会情勢を踏まえた論点の整理が必要との考えを示し、秋以降、個別の各論が中医協で議論できるよう、7月からそのための検討を進めていくと言及。

7月の段階で、新型コロナの先行きをどこまで見通せるのかということはあるが、そういったことも踏まえながら、7月から検討をスタートすることが適切と判断したと述べ、提案に理解を求めた。

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