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健保ニュース 2019年8月合併号

健保組合の平成29年度生活習慣病医療費
大半が入院外の糖尿病や高血圧
入院で脳血管障害、虚血性心疾患が多い

健保連が健保組合加入者の生活習慣関連10疾患を平成29年度レセプトから分析したところ、生活習慣関連医療費の約9割を入院外が占め、受診率の高い糖尿病や高血圧症などに多くの医療費がかかっていた。入院では、1日当たり単価の高い脳血管障害や虚血性心疾患の医療費が多かった。年齢や男女の違いも背景に、被保険者本人と家族の格差もみられた。

調査は、1280健保組合の医科と調剤の電算処理レセプト3億7909万件を対象に実施し、▽糖尿病▽脳血管障害▽虚血性心疾患▽動脈閉塞▽高血圧症▽高尿酸血症▽高脂血症▽肝機能障害▽高血圧性腎臓障害▽人工透析─を生活習慣関連疾患として扱った。その結果、総医療費に占める生活習慣関連の割合は、本人の場合が18.1%、家族の場合が6.9%で、加入者合計だと13.1%だった。

生活習慣関連の疾患別医療費構成は、入院外で糖尿病の29.1%と高血圧症の29.0%、入院で脳血管障害の34.0%と虚血性心疾患の31.7%が多く、どちらも上位2疾患で全体の6割を占める。

入院外の疾患別1人当たり医療費は、高血圧症と糖尿病が本人で約5800円、家族で約2000円と高く、次に高脂血症と人工透析が本人で約3000円、家族で約1500円だった。高尿酸血症は本人が約600円、家族が約50円で格差が大きかった。入院外の受診率(1千人当たりレセプト件数)は、高血圧症の本人843.5、家族340.6や高脂血症の本人748.9、家族360.7などが高かった。高尿酸血症の受診率は本人が222.0、家族が25.4だった。入院外の1日当たり医療費は本人、家族とも人工透析が3万円前後で突出しているほか、糖尿病と脳血管障害が本人と家族のいずれもやや高かった。

入院の疾患別1人当たり医療費は、虚血性心疾患が本人で1000円を超えたほか、脳血管障害が本人で約900円、家族が約500円と総じて高く、糖尿病、高血圧症、人工透析は本人、家族とも200~300円程度だった。

入院の受診率は、高血圧症の本人8.8、家族4.6や糖尿病の本人7.2、家族4.2が高かった。入院1日当たり医療費は、虚血性心疾患が本人で約4万5000円と際立つほか、脳血管障害や人工透析が本人と家族のいずれも2万~3万円程度で高水準だった。推計1入院当たり医療費は、本人で脳血管障害89万円、人工透析74万円、虚血性心疾患54万円など、家族で人工透析103万円、脳血管障害79万円、虚血性心疾患26万円などが高い。

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