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健保ニュース 2019年7月上旬号

支払基金の平成30年度事業状況・決算
支部ルール5万件まで縮小

社会保険診療報酬支払基金(神田裕二理事長)は6月24日の記者会見で、平成30年度の事業概況と決算を発表した。

支払基金改革関連では、審査基準の統一化に向けて、本部チェックルールへの移行などを定めた取り扱い基準を30年4月に支部に周知し、支部独自ルールを29年10月の約14万件から31年2月で約5万件まで縮小させた。特別審査委員会が取り扱う高額レセプトの対象は昨年11月審査分から40万点以上を38万点以上に広げた。

審査の透明性や適正なレセプト提出などを目的に公開しているコンピュータチェックルールは、31年1月時点で8万9814件で、30年3月から3595件増えた。前回の診療報酬改定でレセプト摘要欄に記載する事項について、124項目538コードが選択式に変更されたことを受けて、364コードをコンピュータチェックに反映した。

返戻再請求や再審査請求の減少に向けた取り組みでは、審査結果の理由を連絡欄に記載した割合が原審査85%、再審査72%で、いずれも目標値を上回った。

再来年度から稼働予定の審査支払新システムについては、受付システムや基盤設計・運用設計などの開発業者が決定しており、支払基金は新システムの構築について、「順調に進んでいる」と説明した。

事務費勘定で損失33億円

支払基金の30年度一般会計決算については、審査支払事務に関する「事務費勘定」で業務収益が前年度から9.8億円減の677.2億円だったのに対し、業務費用が同17.8億円増の709.8億円で、差し引き32.7億円の業務損失が生じた。

業務収益では、事務費収入が事務費手数料引き下げに伴う減少(影響額▲29.6億円)と審査件数の増加(同19.6億円)により、前年度から10.0億円の減収となった。業務費用は、システム刷新経費の増により委託費が前年度から12.1億円増の56.4億円だったことに加え、診療報酬改定に伴うシステム改修経費の増によってその他の業務費用が同11.2億円増の67.3億円となった。

業務損失に業務外損益を合わせた経常損失は同27.8億円増の30.9億円。これに特別利益として厚生年金基金代行返上益42.3億円などを加えた当期純利益は5.3億円だった。

委託金と診療報酬に関する経理にあたる「事業費勘定」の規模は、同2870億円増の12兆8444億円となった。業務収益が保険者などに対する診療報酬請求額、業務費用が保険医療機関などへの診療報酬支払額に該当し、業務収支は均衡する。

30年度特別会計の事業費勘定決算をみると、後期高齢者医療特別会計は、業務収益6兆2661億円に対し、費用6兆3118億円で、差し引き457億円の業務損失が生じた。収益のうち後期支援金収入は、30年度概算額6兆5692億円から28年度分精算額3579億円を差し引いた6兆2113億円だった。

前期高齢者特別会計は業務収益3兆6441億円に対し、費用3兆6468億円で、差し引き27億円の業務損失となった。収益のうち前期納付金収入は、30年度概算額3兆6210億円に28年度分精算額121億円を加えた3兆6331億円だった。

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