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健保ニュース 2019年7月上旬号

都道府県医療機能情報提供制度
全国統一システムを構築
本多理事 利用者の視点が重要

厚生労働省の「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」(座長・尾形裕也九州大学名誉教授)は6月27日、医療機能情報提供制度について議論した。都道府県ごとに管理している運用を、住民・患者の選択を支える観点から、全国統一システムに見直すことが論点となった。

医療機能情報提供制度は、患者が医療機関等の選択を適切に行うために必要な情報について、都道府県への報告を医療機関に義務づけ、都道府県がその情報を集約し、わかりやすく提供する制度で、平成19年4月から実施されている。

ただし、都道府県ごとにスマートフォンや外国語への対応等を含め情報の公開方法に違いがあることや、県境の利用者は複数の都道府県の情報サイトを検索し、閲覧しなければならないなど、利便性の課題が指摘されているほか、情報の報告義務が課されている医療機関の負担軽減を求める意見もある。

このため厚労省は、利用者の利便性の向上やレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)からデータを抽出し、医療機関が利用できる仕組みを付加することで、医療機関からの報告にかかる負担軽減を図るとともに、情報の正確性を担保する観点から、同省が管理する全国統一システムの構築に向けた検討を進めている。

厚労省は、この日の会合に、全国統一システムの基本的な考え方として、「住民・患者による医療機関の適切な選択を支援する」という医療機能情報提供制度の目的を踏まえ、▽わかりやすい情報▽正確な情報の報告・管理▽報告する医療機関の負担軽減▽各地域の独自性を生かす情報提供─の4つの視点をもとに、検討を進めていく方針を示した。今年度中に47都道府県の現行システムを実態把握したうえで、システム開発にかかる議論を進め、令和4年度からの新システムの稼働をめざす。

これに対し、健保連の本多伸行理事は、全国統一システムの構築にあたり、「重要なことはシステムを利用する患者の視点であり、利用者の声をシステム構築に反映させる必要がある」と指摘した。

他の委員からは、医療機能情報を適切に更新していく仕組みや、国と都道府県の役割について費用面を含め検討するよう求める意見のほか、NDBデータの活用については十分議論する必要があるとの意見もあった。

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