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健保ニュース 2019年6月下旬号

骨太方針など閣議決定
全世代型社会保障を構築
疾病予防 健保組合は支援金加減算

政府は21日の臨時閣議で、「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太方針2019)」をはじめ、「成長戦略実行計画」、「規制改革実施計画」など今後の政権運営の指針とする関連計画を決定した。

今年の骨太方針は、成長戦略実行計画にもとづく全世代型社会保障への改革などを主要政策とした。

全世代型社会保障への改革は、人生100年時代に対応して、70歳まで働けるよう、高齢者の就労拡大を法制上整備することや、健康を安心の基盤として疾病・介護予防への取り組みを重視した。

疾病予防の促進策では、健保組合に対する予防・健康インセンティブの強化に向けて、特定健診・保健指導の実施状況などに応じて後期高齢者支援金を加算・減算する仕組みを活用し、加減算の幅を来年度に最大で10%に引き上げると明記した。

成長戦略実行と並ぶもうひとつの柱に新経済・財政再生計画の着実な推進を掲げ、社会保障関係費については、財政健全化を進めるため、引き続き高齢化相当分の増加に抑える方針に沿って、予算を編成するとした。

社会保障改革の基本的な考え方は、団塊の世代が75歳に入り始める2022年までに基盤強化を進める方針の下、年金・介護については、法改正も視野に今年度末までに結論を出す方向性を示した。

医療分野などその他の分野も再来年度まで3か年の基盤強化期間内から改革を順次実行に移せるよう、骨太方針2020で給付と負担のあり方も含めた重点政策を取りまとめる。

医療・介護制度改革における保険者機能の強化については、1人当たり医療費の地域差半減に向けて、地域別の取り組みや成果の進捗管理と見える化を進める。また、保険者へのインセンティブとしては、アウトカム指標の割合の計画的引き上げや多剤・重複投与の是正、糖尿病等の重症化予防などを重点的に評価する。

個人の予防・健康づくりを促す観点からは、ヘルスケアポイントなどインセンティブ付与につながる保険者の取り組みを支援する。

データヘルス改革に関連しては、レセプトにもとづく薬剤情報や特定健診の保健医療情報を患者本人や医療機関等で確認できる仕組みについて、特定健診情報は2021年3月、薬剤情報は同年10月を目途に稼働させる。さらに、その他のデータ項目も医療機関等で確認できる仕組みを構築するための工程表を、2020年夏までに策定する。

年金制度改革では、健康保険制度も含めた短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲について、法案提出など必要な措置を講じるとした。

規制改革実施計画には、社会保険診療報酬支払基金改革を着実に実施することを盛り込んだ。支払基金改革について、レセプト点検業務を審査事務センターへ集約する計画の具体的な工程を明らかにし、今年度中に公表する。

支部間差異の不合理な解消とコンピュータチェックルールの公開に関する実績・効果について、実施状況を把握し、今年度中に公表する。

支払基金と国保中央会などの審査支払機能の効率的なあり方について、具体的な方針や対象業務、工程を明らかにするための中間報告を今年度中に取りまとめ、来年度中に結論・措置するとした。

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