健保ニュース
健保ニュース 2026年3月中旬号
新地域医療構想の必要病床数推計
DXによる効率化を反映
指針作成へ検討会取りまとめ
地域医療構想及び医療計画に関する検討会(座長・遠藤久夫学習院大学長)は3日、新たな地域医療構想策定のガイドライン作成に向けた議論の「とりまとめ(案)」を座長一任で了承した。必要病床数の推計に使用する病床稼働率に、今後の医療DXの取り組みにより期待される入退院の円滑化や病床管理の質の向上などの効率化を反映させる。
この日の会議では、前会の会議で厚生労働省が示した取りまとめ案に具体的な記載がなかった必要病床数の推計を中心に議論した。
新たな地域医療構想での必要病床数の推計にあたっては、これまでの議論で、現構想と同じ方法(病床機能ごとに医療需要を算出し、病床稼働率で割り戻す)で算出するとしていた。
厚労省は入院患者数の減少などにより、実際の病床稼働率が現構想の設定値を下回るとの分析結果を提示。新たな構想では、「実際のデータを踏まえて設定する必要がある」とした。
一方、低い病床稼働率で算出すると、必要病床数が過大になるおそれがあるため、実際の病床稼働率から著しく低い値を除いた中央値で推計することを提案した。
さらに、今後の医療DXの取り組みによる効率化を見込み、必要病床数推計のための病床稼働率を、▽高度急性期79%(中央値78%+効率化分1%)▽急性期84%(同83%+同1%)▽包括期89%(同87%+同2%)▽慢性期92.5%(同92%+同0.5%)──に設定するとした。
委員から異論はなく、提案通り了承された。
健保連の伊藤悦郎常務理事は「病床稼働率に医療DXによる効率化を反映させることは、今後、非常に重要になる」と指摘。AIやICT機器を活用した効率化や医療従事者の負担軽減、医療安全の精度向上などへの取り組みが必要だと主張した。
この日の会議に出席した森光敬子医政局長は、構成員に取りまとめの謝意を示し、「これまでの議論をガイドラインに反映させるだけでなく、都道府県への説明会などでも詳細に伝えながら、各地域で地域医療構想が機能するように取り組みたい」と述べた。