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健保ニュース 2025年6月上旬号

超党派会議が中間報告
現役世代の保険料軽減を提言

「日本社会と民主主義の持続可能性を考える超党派会議」(筆頭世話人・小渕優子自民党組織運動本部長)は5月27日、都内で中間報告会を開催した。この中で、経済・財政・社会保障部会は、全世代が活躍できる社会の実現に向け、現役世代の社会保険料負担軽減を提言した。

同部会は昨年3月に始動し、経済社会の持続可能性維持、向上に向け、14回にわたり会議を開催。有識者のヒアリングや意見交換、取りまとめに向けた議論を重ねてきた。

中間報告は、同部会参加者が特に強い問題意識を共有した①経済成長と財政健全化の両立②経済・財政・社会保障の将来像の見える化③全世代が活躍できる社会の実現──の3つの課題について提言する。

③は現役世代の社会保険料の負担軽減をポイントに挙げ、世代間のバランスや不公平感の是正に向け、現役世代の社会保険料負担の改善を図るとした。諸外国の例も参考に、マイナンバーを活用した所得把握を充実しつつ、将来的な給付も見据え、中・低所得世帯を対象とした効果的な負担軽減策を、必要な財源を確保しながら実現すべきだと提言した。

また、全世代型社会保障の考え方に基づき、年齢で区別する仕組みを見直し、健康で意欲のある高齢者が生きがいを持って活躍できる社会を実現すべきとした。現役世代の再定義にも言及している。

子育て世代の支援については、育児休業給付の充実や働き方改革など仕事と子育てを両立できる環境を整備しつつ、子ども・子育て予算の倍増に向けて安定財源を確保しながら、支援策のさらなる充実を目指す。

②は財政推計組織の創設を検討するよう求める。客観性、中立性、非党派性、独立性が担保された長期財政推計により、経済、財政、社会保障の将来像を明らかにするとともに、税、社会保険料、給付を含めた受益と負担の見える化を図るべきだと提言した。

また、可能な限り社会保障改革を進め、給付と負担のバランスを確保し、国民皆保険制度の持続可能性を維持することで、社会保障に対する安心感を高め、財政に対する国民の不安を払拭すべきだとした。

①では経済、財政に対する市場の信認の確保を提言した。
 同部会共同座長の小渕氏は報告冒頭のあいさつで、重たいテーマながら積極的な議論ができたのは、「それぞれが頭の痛い課題から逃げることなく向き合ってきたということ」だとして超党派会議の意義を強調した上で、「議論で終わることなく、形にしなければならない」と述べた。

また、小渕氏は「中間報告の成果を一つの基盤として、さらに議論が熟していくことを願う」との立憲民主党の大串博志共同座長のメッセージを代読した。

公明党の竹谷とし子共同座長は財政推計組織について、「国民から信頼される経済、財政、社会保障運営の基盤になるのではないか」と期待を込めた。

同部会の齋藤健事務局長は、「超党派の議論でここまで共通認識ができたのは、大いなる前進ではないか」と述べ、成果を強調した。

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