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健保ニュース 2023年2月上旬号

地域・職域連携推進関係者会議
働く世代から退職後まで継続支援

厚生労働省は1月19日、健康局・労働基準局・保険局による「令和4年度地域・職域連携推進関係者会議」を合同開催した。

「これからのヘルスプロモーションのための地域・職域連携の可能性」をテーマに、都道府県、市町村、保健所、保険者、労働局等を対象に実施。

健康局健康課保健指導室の五十嵐久美子室長は、健康寿命の延伸や健康格差の縮小に向け、地域・職域連携を推進することで働く世代から退職後に至る継続した健康づくりをめざす方向性を示した。

また、現在検討されている次期国民健康づくりプランのビジョン「すべての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を念頭に置き、それぞれの立場で健康指標の改善に向けた取り組みを推進してもらいたいと要請した。

五十嵐室長は、健康日本21(第二次)の最終評価で明らかになった1次予防の指標や一部の性・年齢階級の健康指標の悪化、急速な高齢化による生活習慣病罹患者の増加が当面の重要課題と強調。個人の主体的な健康づくりを進めるためには、生涯を通じて継続した健康管理支援が必要だと述べた。

一方、青壮年層の多くは、労働安全衛生法や健康保険法の下で健診・保健指導をはじめ、重症化予防、健康教育等の保健事業を享受できるものの、退職後に地域保健制度に移行することで保健事業の継続性が途絶えてしまう課題があると指摘した。

地域課題の明確化で
必要な支援を相互活用

五十嵐室長は、課題解決には地域・職域推進協議会による連携促進が有効だと言及。連携した事業を行うスキームを活用し、個人の健康情報や保健事業の共有化を図ることで、地域全体の健康課題を明確化し、必要な健康支援を相互に活用し合うことが可能になると期待を寄せた。

保健サービスの精査・拡充など効果的・効率的な保健事業の実施やこれまで支援が不十分だった層への健康支援(小規模事業者による健康保持増進、被扶養者層へのアプローチ等)等、地域・職域の相互のメリットも大きいと述べ、今後も積極的な連携を推進する考えを示した。

同協議会は、関係機関で構成される▽都道府県単位(保険者協議会・保健所・医師会・商工会連合会等)の広域的な連携▽二次医療圏単位(市町村・住民代表・健保組合・医師会・商工会議所等)の地域特性に応じたより具体性のある連携─を設置モデルとして示しており、4年度は、▽都道府県単位(n=47)が、単独設置22・合同設置20▽二次医療圏単位(n=339)が、同166・同49─となっている。

保険者間の連携
国の施策で後押し

保険局医療介護連携政策課の杉田塩保健事業推進専門官は、保険者間連携などに関連した予防・健康づくりの施策を紹介。特定健診データは、紙・電子媒体に加えオンライン資格確認等システムを活用した保険者間引き継ぎが可能になっており、40歳未満の事業主健診情報も3年度に事業者から保険者へ提供する仕組みが施行。5年度からマイナポータルでも確認できるようになると説明した。

また、被用者保険等から広域連合への移行後、健康支援が健診のみになることが課題となっていたが、介護保険による介護予防と保健事業による重症化予防とを一体化して実施する事業が2年度から開始されていると報告。6年度までに全市町村での展開をめざす方針を示した。

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