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健保ニュース 2023年2月上旬号

健保連理事会
宮永会長 健保組合堅持へ国政に要求
ロビー活動の成果に謝意

健保連は1月20日、第521回理事会を開き、令和5年度事業計画や一般会計予算などを審議し、了承した。冒頭あいさつした宮永俊一会長は、政府が6年度から施行予定の医療保険制度改革案について、後期高齢者の保険料負担割合の見直しや出産育児一時金の一部を後期高齢者が支援する仕組みの導入など高齢者にも応分の負担を求める内容と評価。前期高齢者納付金に導入する報酬水準に応じた調整の割合が3分の1にとどまることとなり、健保組合の負担増分を上回る形で国庫補助金の拡充や拠出金に対する財政支援が制度化されるなどの措置が講じられることは、積極的なロビー活動を実施した成果との考えを示し、健保組合関係者の協力に謝意を表した。今後の焦点は国会での法案審議に移ることに言及し、健保組合を取り巻く環境が極めて厳しく、負担が限界にあること、健保組合を守ることが持続性ある制度、皆保険の維持につながることを国政にしっかり訴えていく方針を示した。(宮永会長の発言要旨は次のとおり。)




新年はじめの理事会の開会にあたり、一言あいさつ申し上げる。
 さて、わが国での新型コロナウイルスの感染拡大から、今年で4年目となる。この間、医療従事者の皆さんの献身的な努力とともに、様々な感染予防対策や、ワクチン接種などの取り組みが進められ、世界全体で経験、知見が集積されてきた。日本でも足元の感染者数、感染状況に留意する必要はあるが、今年は、社会経済活動との両立を図るため、国全体で「ウィズコロナ」の取り組みを前に進めていく必要があると考えている。

一方、世界的なインフレ、物価高騰は、年が明けても続いている。同時に、主要国の利上げ政策もあって、世界経済の先行きに警戒感が強まっていることは承知のとおりだ。また、アメリカと中国の覇権争いやおよそ1年におよぶロシアのウクライナ侵攻など、安全保障上のリスクも一層増しており、国際的に不確実・不透明な時代がしばらく続くのではないか、と危惧しているところだ。

こうしたなか、岸田首相は年頭の記者会見で、「日本経済の長年の課題に終止符を打ち、成長と分配の好循環を実現するため、賃上げと、官民連携の投資の促進、さらに、異次元の少子化対策に取り組む」との決意を述べた。

12月に決定された令和5年度の政府予算案では、子ども関連予算の増額に加えて、省エネや次世代エネルギーなどの環境や、量子技術分野など、日本がイニシアチブをとれるテクノロジー関連に集中的に予算投入する方針も示された。こうした政策がわが国の人口減少の歯止めとなり、また、日本経済再生の起爆剤になることを期待したい。

社会保障関係では、12月に全世代型社会保障構築会議の報告書がとりまとめられた。これを受けて、5年度政府予算編成に合わせて、加藤厚生労働大臣、鈴木財務大臣の折衝を経て、6年度から施行予定の医療保険制度改革案も固まった。

特に、後期高齢者の保険料負担割合の見直しや、出産育児一時金の一部を後期高齢者が支援する仕組みの導入など、高齢者にも応分の負担をいただく内容となったことは、率直に評価できる。

一方で、被用者保険者間における格差是正の観点から、前期高齢者納付金の一部に報酬水準に応じた調整が導入されることとなった。健保組合全体からみると負担増となるが、議論の結果、報酬調整の割合は、3分の1にとどまることとなり、さらに、負担増分を上回る形で、国庫補助金の拡充や、拠出金に対する財政支援が制度化される予定だ。

こうした措置は、昨年の9月以降、われわれが「秋の陣」として、皆さんの力添えもいただきながら、積極的なロビー活動を実施した成果であると考えている。改めて皆さんのご尽力に感謝申し上げる。

今回の改革案の特徴は、「現役世代の負担軽減」や、「世代間・世代内の負担のバランス是正」、「負担能力に応じた全世代で支える仕組み」という視点から、総合的に、いわば〝パッケージ〟の形で政策がまとめられたことだ。

さらに、全体像が固まる直前まで、政府の会議体や政治レベルの調整が行われたことから、大変、分かりづらい部分があったことは否めない。

今回の決着に至るまでに、改めて感じたことは、国の政策決定に向けて、政治や世論を動かすためには、会員組合の皆さんはもちろん、事業主、加入者の方々にも現状を理解いただき、われわれの足元を固め、そのうえで、国政や関係者間での味方を増やしていくことが欠かせないということだ。

今後の焦点は、今月23日に召集予定の通常国会での法案審議に移ることとなるが、健保組合を取り巻く環境が極めて厳しい状況にあり、われわれの負担が限界にあること、その健保組合を守ることが持続性ある制度、皆保険の維持につながるということを国政に対して、しっかり訴えていきたい。

折しも、今年は、健保連の創立から80年目の節目の年となる。80年もの間、理事、議員組合をはじめ、全国の会員組合とともに健保連は、健保組合方式の維持・発展をめざし、政策実現や研究活動、会員組合の共同事業など、時代の変遷に合わせて、様々な事業に取り組んできた。これからも健保組合が皆保険制度の中核として保険者機能を発揮し、加入者の健康を守るために、様々な事業に取り組めるよう邁進していく所存だ。

特に、近年のデジタル社会の進展により、健保組合を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、求められる役割や、取り扱う分野も大きく変容してきている。オンライン資格確認システムや、マイナンバーカードと保険証の一体化など、ICTに関する課題はその最たるものと言える。

こうした新たな政策課題にも、健保組合の意見、意向を反映し、制度が円滑に運営されるよう、適切な対応を求めていく。

健康保険制度の黎明期から、事業主との連携のもと、加入者の健康を守り、様々な保健事業に取り組んできた健保組合を、そして、世界に誇る皆保険制度を守るため、健保連の活動に引き続き、ご理解・ご協力を賜りたくお願い申し上げる。

本日は、令和5年度の事業計画および各会計の予算案を諮る。理事各位の活発な審議をお願いして私のあいさつとする。

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