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健保ニュース 2021年2月下旬号

3月下旬からのオンライン資格確認
佐野副会長 導入時の混乱回避を重視
既存の保険証利用が確実

健保連の佐野雅宏副会長は12日の医療保険部会で、今年3月下旬から開始されるオンライン資格確認に向けた健保組合・健保連の対応として、まずは既存の保険証利用が受診に際して最も確実な方法であることを加入者に周知する考えを示した。

マイナンバーカードの保険証利用には、カードをかざして本人確認をする顔認証付きカードリーダーを医療機関や薬局が施設内の窓口などに設置する必要があるが、医療機関等でのカードリーダーの導入が広がっていない。

佐野副会長は、医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の導入率アップに向けた取り組み強化を厚労省に要請した。

オンライン資格確認のスタート時点で、患者の受診時に混乱を生じさせないことが絶対条件と強調したうえで、直近の医療機関等の導入状況などを踏まえると、オンライン資格確認に対応できる医療機関とできない医療機関が混在し、患者が医療機関・薬局に行ってもカードが使えない事例やどの医療機関で使えるのか分からないといったことが想定されると懸念した。

こうしたことから、健保組合・健保連の対応としては、混乱防止の観点から、加入者に対して「当面は既存の保険証を利用することが最も確実な方法である」と周知せざるを得ないとの方針を示し、この点についての理解を求めると同時に、政府に対して国民に誤解を与えないような周知・広報の必要性を要請した。

顔認証カードリーダー 医療機関等の申込28.5%

厚生労働省はこの日の医療保険部会に、医療機関等におけるオンライン資格確認システムの導入準備状況を報告した。

それによると、顔認証付きカードリーダーを申し込んでいる医療機関等は2月7日時点で、6万5140施設と全体の28.5%となっている。内訳は、病院が38.0%、医科診療所21.0%、歯科診療所23.3%、薬局44.6%で診療所の申込率が低い。

厚労省は、今年3月下旬からのオンライン資格確認の開始に合わせて、医療機関等の6割程度でのカードリーダーの導入をめざしているが、目標達成からは大きな乖離がある。

マイナンバーカードの健康保険証利用の申し込み状況は、全国のマイナンバー交付枚数の7.8%(250万4711件)にとどまる。

厚労省はカードリーダーの導入が広がらない課題として、▽オンライン資格確認について、医療機関や薬局、システムベンダーなどへの周知が不十分▽マイナンバーカードの普及率を踏まえ、オンライン資格確認がどのようになるのか様子見の状況▽システムベンダーによる見積もりが過大になる傾向─などをあげている。

このため、厚労省は、▽全医療機関等へのオンライン資格確認導入に関する周知リーフレットを再送付するとともに、導入意向調査を実施▽3師会など医療関係団体へのさらなる働きかけを実施▽大手システムベンダーに対して見積もりの適正化を依頼、個別医療機関からの相談に対応─などに取り組む考えを示した。

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