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健保ニュース 2020年9月上旬号

厚労省メディアス・元年度3月
概算医療費 前年同月比で1.2%減
2月の2.7%増から反転

厚生労働省の「最近の医療費の動向(メディアス)」令和元年度3月号によると、3月の概算医療費は前年同月比1.2%減少し、2月の同2.7%増から反転した。休日数などの違いによる影響を補正すると同1.8%減へとさらに減少幅は拡大することが明らかになった。

元年度に前年同月比で伸び率がマイナスとなったのは、10月(0.3%減)以来であり、今年の3月から一定程度、新型コロナウイルス感染症に伴う患者の受療行動の変化が影響したことが想定される。

制度別に3月の概算医療費をみると、被用者保険は本人同0.5%減、家族同9.5%減の全体で3.6%減、国民健康保険も同2.3%減で、いずれも前年同月に比べ減少した。未就学者は同16.1%減と大幅に減少。一方、75歳以上の後期高齢者は同1.2%増で推移した。

1人当たり医療費は同1.0%減で、被用者保険が同3.8%減、国保が同1.1%増、後期高齢者が同0.6%減となっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院の同0.8%増に対し、医科入院外は同4.1%減と大幅に減少。歯科が同3.0%減、調剤が同0.6%増だった。

医科入院は1日当たり医療費が同3.6%増で受診延日数が同2.9%減、医科入院外は1日当たり医療費が同7.5%増で受診延日数が同10.9%減、歯科は1日当たり医療費が同2.7%増で受診延日数が同5.5%減、調剤は処方箋当たり医療費が11.3%増で処方箋枚数が同9.6%減となっており、医科入院外と歯科では、1日当たり医療費の増加を大きく上回る受診延日数の減少が顕著だった。

令和元年度の概算医療費の伸び率は前年度比2.4%増(補正後2.9%増)だったが、4月から9月の同3.3%増(補正後4.4%増)に比べると、10月から3月は同1.4%増(補正後1.5%増)の伸び率へと鈍化する。

元年10月からは、消費増税に伴う臨時診療報酬改定が行われており、医療費全体でマイナス0.07%(本体プラス0.41%、薬価マイナス0.51%、材料価格プラス0.03%)の改定率が、一定程度、医療費の伸びに影響を与えていることが見込まれる。

これに元年度3月の新型コロナウイルス感染症に伴う医療費の減少等も影響し、上期の3.3%増という例年に比べ高い伸び率が2.4%増まで低下したとみられる。

特に、調剤医療費は、4~9月の同5.5%増(補正後7.1%増)から10~3月の同1.9%増(補正後2.2%増) へと伸び率は大きく鈍化しており、マイナス0.51%の薬価改定が調剤医療費の74%を占める薬剤費の伸びに影響を与えたことが想定される。

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