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健保ニュース 2020年9月上旬号

令和元年度・高額医療交付金交付事業
1千万円以上超高額レセ 過去最多の851件

健保連はこのほど、令和元年度の高額医療交付金交付事業の事業結果を公表した。
 それによると、患者1人当たりの1か月の医療費が1000万円以上の「超高額レセプト」は、前年度比123件増の851件と過去最多を更新し、初めて800件を超えた。最高額は4037万7520円だった。上位83件までが2000万円超(28年度=69件、29年度=72件、30年度=82件)となるなど、医療費の高額化傾向を示す結果となった。

超高額レセプト上位100件を疾患別にみると、循環器系疾患が44件(前年度比4件減)と最も多く、血液疾患=20件(同6件増)、その他=36件(同1件減)となっている。循環器系疾患の減少は、植込型補助人工心臓装着手術以外の心臓手術(体外型補助人工心臓装着術・小児心臓手術等)の減少、血液疾患の増加は、重症化するケースの増加が要因として挙げられる。

健保連の高額医療交付金交付事業は、高額医療費の発生による健保組合財政への影響を緩和するため、昭和50年度に任意事業として創設。56年度からは法定事業となり現在に至っている。

同事業は、各健保組合が拠出する「財政調整事業拠出金」(標準報酬年総額の千分の1.3相当)のうち千分の1.0(ただし、28年度から特例として千分の1.1)に相当する額を財源に、全健保組合の共同事業として運営されている。

令和元年度は、平成30年11月~令和元年10月診療分(過年度分を含む)のレセプトのうち、1か月の医療費が交付基準である120万円(人工腎臓を実施している慢性腎不全、血友病などの特定疾病は40万円)を超える高額レセプトを対象に事業を実施した。

その結果、1375組合から申請があった33万7152件を対象に約1110億円を交付。前年度(32万8549件、約1065億円)に比べ、件数は8603件、2.6%増加し、交付金額は約45億円、4.2%増加した。

なお、令和元年度は拠出金収入(交付財源)を上回る申請があったため、400万円以下部分について交付率60%(前年度60%)を乗じ、400万円超部分は交付率を乗じず100%交付した結果、全体では平均67%の交付率となっている。

金額階級別の交付件数は、▽40万円超100万円未満=9万8978件(前年度比2.42%増、申請件数全体の29.4%)▽100万円以上200万円未満=15万7481件(同3.31%増、同46.7%)▽200万円以上300万円未満=4万9522件(同0.51%増、同14.7%)▽300万円以上400万円未満=1万5756件(同0.58%増、同4.7%)▽400万円以上500万円未満=7396件(同5.98%増、同2.2%)▽500万円以上1000万円未満=7168件(同4.92%増、同2.1%)▽1000万円以上2000万円未満=768件(同18.89%増、同0.23%)▽2000万円以上=83件(同1.22%増、同0.025%)─で1000万円以上2000万円未満の件数の伸びが顕著だった。

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