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健保ニュース 2019年9月下旬号

平成30年度・高額医療交付金交付事業
1千万円以上超高額レセ 過去最多の728件

健保連は24日、平成30年度の高額医療交付金交付事業の事業結果を公表した。それによると、患者1人当たりの1か月の医療費が1000万円以上の「超高額レセプト」は、前年度比196件増の728件と過去最多を更新し、初めて700件を超えた。最高額は9058万1510円だった。上位82件までが2000万円超(27年度=47件、28年度=69件、29年度=72件)となるなど、医療費の高額化傾向を示す結果となった。

超高額レセプト上位100件を疾患別にみると、循環器系疾患が48件(前年度比7件増)と最も多く、▽血液疾患=14件(同9件減)▽先天性疾患=1件(同4件減)▽その他=37件(同7件増)─となっている。循環器系疾患の増加は、重症心臓病患者に用いる「補助人工心臓(植込型・体外型)」を装着した患者が増加。血液疾患の減少は、重症化するケースの減少が要因であり、その他の増加は、新たに保険収載された高額薬剤の使用が要因として挙げられる。

健保連の高額医療交付金交付事業は、高額医療費の発生による健保組合財政への影響を緩和するため、昭和50年度に任意事業として創設。56年度からは法定事業となり現在に至っている。

同事業は、各健保組合が拠出する「財政調整事業拠出金」(標準報酬年総額の千分の1.3相当)のうち千分の1.0(ただし、28年度から特例として千分の1.1)に相当する額を財源に、全健保組合の共同事業として運営されている。

30年度は、29年11月~30年10月診療分(過年度分を含む)のレセプトのうち、1か月の医療費が交付基準である120万円(人工腎臓を実施している慢性腎不全、血友病などの特定疾病は40万円)を超える高額レセプトを対象に事業を実施した。

その結果、1372組合から申請があった32万8549件を対象に約1065億円を交付。前年度(31万701件、約1007億円)に比べ、件数は1万7848件、5.7%増加し、交付金額は約58億円、5.8%増加した。

30年度は拠出金収入(交付財源)を上回る申請があったため、400万円以下部分について交付率60%(前年度64%)を乗じ、400万円超部分は交付率を乗じず100%交付した結果、全体では平均66%の交付率となっている。

金額階級別の交付件数は、▽40万円超100万円未満=9万6636件(前年度比6.99%増、申請件数全体の29.4%)▽100万円以上200万円未満=15万2438件(同3.59%増、同46.4%)▽200万円以上300万円未満=4万9271件(同8.92%増、同15.0%)▽300万円以上400万円未満=1万5665件(同5.23%増、同4.8%)▽400万円以上500万円未満=6979件(同7.97%増、同2.1%)▽500万円以上1000万円未満=6832件(同11.93%増、同2.1%)▽1000万円以上2000万円未満=646件(同40.43%増、同0.2%)▽2000万円以上=82件(同13.89%増、同0.025%)─で1000万円以上2000万円未満と2000万円以上の件数の伸びが顕著だった。

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