健保ニュース
健保ニュース 2026年5月合併号
健保法改正案が衆院通過
附帯決議 現役世代の保険料負担に配慮
高齢者の窓口負担割合を検討
政府提出の「健康保険法等の一部を改正する法律案」は4月28日の衆院本会議で与野党の賛成多数で可決され、参院に送付された。これに先立ち同法案を24日に可決した衆院厚生労働委員会は、17項目の附帯決議を採択した。
この中で、後期高齢者医療制度について、現在、現役並み所得者の医療給付費に公費が投入されていないことも踏まえ、「高齢者の窓口負担割合の検討の中で現役世代の保険料負担への配慮も含めた制度の在り方を検討し、所要の措置を講ずること」と、政府に必要な対策を促す文言が盛り込まれた。
現役並み所得者の医療給付費の9割は後期高齢者支援金で賄われている。今後の制度改正に向け、現行の財源構成のまま現役並み所得者の判定基準を見直すなどして、現役並み所得者を拡大すると、現役世代の負担がかえって増大することとなる。
与野党の議員は衆院厚労委で、後期支援金が9割を占める財源構成を問題視し、現役世代の保険料負担を軽減するため、現役並み所得者の医療給付費への公費投入などを検討する必要性を訴えた。
こうした声を受けて附帯決議では、高齢者の窓口負担割合の検討の中で、現役世代の保険料負担に配慮した制度設計を検討する方針が示された。
このほか、今回の改正では、分娩1件あたり基本単価を国が設定して現物給付化するとともに、保険診療部分の一部負担金を軽減するため定額の現金給付を「出産時一時金」として支給することとなっている。
附帯決議は、これら妊婦の負担を軽減する分娩費、出産時一時金の金額の設定にあたって、医療保険財政と保険料負担への影響を十分に考慮するとした。
健保法等改正案は、一部保険外療養の創設によるOTC類似薬の保険給付見直し、後期高齢者の自己負担・保険料への金融所得の反映、妊娠・出産に対する支援の強化、協会けんぽの国庫補助に係る特例減額の拡大などを柱としている。
28日の衆院本会議は法案の採決に先立ち、浜地雅一氏(中道改革連合)、豊田真由子氏(参政党)、古川あおい氏(チームみらい)がそれぞれ登壇し、法案に賛成の立場から討論した。
浜地氏は、「全世代型社会保障が叫ばれて久しいが、現役世代の負担に頼る構造は改善されたとは言えず、社会保険料の負担に対する不満は増すばかりだ」と指摘した。
その上で、後期高齢者の自己負担・保険料への金融所得の反映は、世代内の負担の公平化を図るものと評価した一方、「金融所得の勘案が進み、3割負担者(現役並み所得者)が増加すると逆に後期高齢者支援金が増加する懸念があり、この点は早急な対応を求める」と述べた。