健保ニュース
健保ニュース 2026年4月中旬号
新たな地域医療構想の策定・推進
米川副会長 健保組合の参画に意欲
医療部会 検討会取りまとめを了承
厚生労働省は3月26日の社会保障審議会医療部会(部会長・遠藤久夫学習院大学長)に、「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」が同月19日に公表した、新たな同構想策定ガイドラインの作成と医師偏在対策それぞれの議論の取りまとめについて報告し、おおむね了承された。
厚労省は医療部会の意見も踏まえ、地域医療構想策定や医師確保計画策定などのガイドラインを作成し、できるだけ早く公表するとしている。当初は年度内に公表する予定だった。
ガイドライン作成の取りまとめでは、健保組合や協会けんぽなど医療保険者に期待される役割として、都道府県単位の地域医療構想調整会議への参画を求めている。健保連の米川孝副会長は「今後、現役世代の減少や高齢化が進むことを考えると、効率的で効果的な医療提供体制に作り替えていくことは重要な課題だ。健保組合も主体的に参画したい」と意気込んだ。
また、2028年度までに地域医療構想を策定し、35年をめどに一定の成果を確保するスケジュールについて、米川副会長は、地域によっては早期に対応しなければ医療提供体制を維持できないケースを念頭に、「もっと早く着手できたり、緊急性が高かったりする地域は一刻も早く進めるべきだ」と指摘した。
永井幸子委員(連合総合政策推進局長)は「医療保険者の適切な関与という観点から、調整会議に住民が参加している例を踏まえ、どのように参画を促し、意見を反映させるかもガイドラインに記載してほしい」と求めた。
山本修一部会長代理(地域医療機能推進機構理事長)は米川副会長と同様に、「地域によって(策定・推進の)緊迫度はかなり異なるため、一律に28年度、35年でいいということではなく、急ぐべきところには厚労省がしっかり後押しする必要がある」と述べた。
地域医療構想に関しては、このほか、国による都道府県への財政面を含めた支援の必要性を訴える意見が複数あった。
医療法人情報の提供
審査担う専門委を設置
厚労省はこの日の医療部会に、「医療法人の経営情報の第三者提供制度」の4月1日施行に伴い、情報提供の可否の審査などを行う専門委員会を、同部会の下に設置することを提案し、了承された。
同制度は医療法人の経営情報データベース(MCDB)の情報を「相当の公益性を有する調査、学術研究、分析を行う研究者など」に提供する仕組み。医療法上、情報提供にあたっては事前に社会保障審議会の意見を聞くことが義務づけられている。
専門委は審査のほか、情報提供の事務処理や審査基準を定めたガイドラインの策定も担う。設置後、当面はガイドラインの策定に向けた検討を進める。
米川副会長は「医療機関の経営情報は、医療提供体制や診療報酬のあり方を考える際に非常に貴重なデータだ」とし、第三者提供による学術的な研究や分析が積極的に行われることに期待を示した。