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健保ニュース 2026年3月下旬号

医療機関の業務効率化・勤務環境改善へ
地域医療介護総合確保基金 対象事業に取り組み支援
積極的な病院の認定制度も創設

厚生労働省は9日の社会保障審議会医療部会(部会長・遠藤久夫学習院大学長)に、医療機関の業務効率化・勤務環境改善に関する法改正の検討内容を報告した。地域医療介護総合確保基金の支援対象に、業務効率化などの取り組みを支援する事業を新設することなどが柱。検討内容は医療部会が昨年12月に了承した方向性に基づいており、委員から異論はなかった。厚労省は今国会に医療法や健康保険法などの改正案を提出する方針だ。

業務効率化などの取り組みの支援には、高齢者人口がほぼピークを迎える2040年に向け、医療従事者を安定的に確保し、質が高く効率的な医療提供体制を構築する狙いがある。

地域医療介護総合確保基金は、国が財政支援制度として平成26年度に創設したもので、各都道府県に設置されている。地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設・設備の整備や病床機能・病床数の変更などに関する事業が対象で、各都道府県は計画に基づいて事業を実施している。同基金は消費税増収分を財源としており、令和8年度予算案では、医療分として647億円(国費ベース)を計上した。

業務効率化などに関する事業の追加は9年1月の施行を予定しており、8年度予算案では1~3月の3か月分を積んでいる。9年度以降の業務効率化・勤務環境改善に関する事業の予算規模については、業務のDXに取り組む医療機関を支援するために7年度補正予算で計上した200億円程度を目指すという。

改正案ではこのほか、業務効率化などに積極的・計画的に取り組む病院を厚労相が認定できる仕組みを設け、認定を受けた病院は対外的に特定の表示を行えるようにする。具体的な表示内容は今後検討し、厚労省令で定める。

また、都道府県の医療勤務環境改善支援センターの体制拡充・機能強化を図り、医療機関の労務管理などの支援に加え、業務効率化に関する助言や指導も行うよう努める旨を明確化する。現在は社会保険労務士による労務管理支援が中心だが、今後、医業経営コンサルタントの配置を含め、DXの取り組みにも対応できる体制を整えるとしている。

一方、現在、医療法で病院や診療所の管理者の努力義務となっている勤務環境改善に、業務効率化を追加する。あわせて、健保法で、医療機関の責務として業務効率化・勤務環境改善に取り組むよう努める旨を明確化する。

井上隆委員(経団連専務理事)は「基金の効果をしっかり確認することが重要だ」と指摘し、効果的な事例の横展開を求めた。

岡俊明委員(日本病院会副会長)は「病院としても、支援を通じた業務のDXによるアウトカムをしっかり出す必要があると認識している」と述べ、厚労省に対し、病院の負担にならないアウトカムの把握と、好事例の共有の仕組みを構築するよう要望した。

永井幸子委員(連合総合政策推進局長)の代理で出席した平山参考人は、「都道府県ごとに基金の活用状況に差がある。国は各都道府県と連携しながら、しっかりフォローしてほしい」と述べた。

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