健保ニュース
健保ニュース 2026年2月下旬号
中医協 エレビジスの保険適用了承
薬価 国内最高額の3億497万円
中医協は13日、遺伝子治療の再生医療等製品「エレビジス点滴静注」(一般名:デランジストロゲン モキセパルボベク)の保険適用を了承した。3歳から7歳までの歩行可能なデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者に1回の投与で治療が完結する。薬価は国内過去最高額の3億497万円で、20日に薬価収載される。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、遺伝子の変異によってジストロフィンと呼ばれるタンパク質をつくれずに筋力が低下する疾患で、次第に心肺機能が失われる。エレビジスは、ジストロフィンと同じ働きをするタンパク質をつくる遺伝子を病原性のないウイルスに組み込み、体外から補充することにより筋力を保つことができると考えられているが、正式な薬事承認に必要な有効性を臨床試験で十分に示せず、「条件及び期限付き承認」を昨年5月に取得した。
条件及び期限付き承認制度は、早期に新たな治療を患者に届けることを目的とした再生医療等製品に特有の仕組みで、有効性が推定の段階で製造販売の「仮免許」を認め、期限までに有効性を立証するデータを収集することが求められる。
ただし、過去に条件及び期限付き承認を受けた別の製品で、有効性を示せず正式承認に至らなかった事例が相次いだため、今年度に保険制度上の取り扱いが厳格化され、正式承認まで保険償還価格を減額する措置をエレビジスに初めて適用した。
エレビジスを巡っては、海外で歩行不能な患者に投与して急性肝不全による死亡例が発生したことを受け、安全対策について中医協で慎重に議論された。そのため、通常は薬事承認から遅くとも3か月以内に保険適用するところ、9か月かかった。