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健保ニュース 2023年3月上旬号

5年度予算への「建議」反映状況
財政審 全世代型社会保障など評価

財政制度等審議会(榊原定征会長)の財政制度分科会は2月17日、会合を開き、「令和5年度予算の編成等に関する建議」の5年度予算等への反映状況を確認した。

財政審が昨年11月29日に取りまとめた「秋の建議」は、社会保障について、「能力に応じて負担、必要に応じて給付し、持続可能な制度を次世代に伝える全世代型への制度改革を急ぐべき」と明記した。

そのうえで、医療は、①毎年薬価改定の完全実施②医療保険制度の見直し(負担能力に応じた負担)③「かかりつけ医機能」が発揮される制度整備等の医療提供体制の見直しを実現─などを提言。また、介護は、「利用者負担等見直し」などが必要と主張した。

これに対する5年度予算等への反映状況について、「4年12月16日に全世代型社会保障構築会議で報告書がとりまとめられ、同本部で、これにもとづき全世代対応型の持続可能な社会保障制度の構築に向けて取り組むこととされた」と評価。

また、①は「5年度薬価改定で平均乖離率7%の0.625倍超の品目を対象とし、薬剤費▲3100億円(国費▲722億円)の削減を実現した」、②は「全社会議の報告書で、後期高齢者医療制度の保険料負担のあり方の見直し、被用者保険の格差是正を行うべき等とされた」、③は「かかりつけ医機能が発揮される制度整備の早急な実現に向け必要な措置を講ずるべきとされた」との考えを示した。

他方、介護は、昨年12月21日の大臣折衝で、「利用者負担が2割となる一定以上所得の判断基準の見直しについて、後期高齢者医療制度との関係や介護サービスは長期間利用されること等を踏まえて検討を行い、遅くとも5年夏までに結論を得る」とされたと整理した。

財政審の委員からは、「社会保障制度改革は道半ばの段階にあり、全世代型社会保障の理念と矛盾している制度は、今後も持続可能性を高める改革を続けていくべき」等の意見があった。

財政制度分科会終了後に記者会見した増田寛也分科会長代理は、「財政審の大きな観点は、財政の持続可能性を確保すること」と指摘し、「常に財政健全化を念頭に置きながら、国の総体としての力を高めていくことが必要」との見解を示した。

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