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健保ニュース 2022年9月下旬号

全世代型社会保障構築へ議論再開
医療制度等3テーマ 年末に「報告」取りまとめ
中長期的改革を年内に工程化

政府の全世代型社会保障構築本部(本部長・岸田文雄首相)は7日、今後の進め方について議論した。岸田首相は全世代型社会保障の構築に向けて、▽子ども・子育て支援の充実▽医療・介護制度の改革▽働き方に中立的な社会保障制度等の構築─の3テーマを中心に、年末に「報告」を取りまとめるよう全世代型社会保障構築会議(清家篤座長)に指示。同会議は3つの検討チームを新設し、「報告」の取りまとめへ議論を深めていくことを確認した。政府は「報告」を踏まえ、年内に中長期的な課題に関する具体的な改革事項を工程化する

政府の全世代型社会保障構築本部は7日、4か月ぶりに会合を開き、今後の進め方について議論した。

この日の会合では、▽2065年には総人口が9000万人を割り込み、高齢化率は38%台の水準になると推計▽高齢化に伴い、社会保障給付費は年金、医療、福祉その他それぞれの分野で年々増加─など、人口の推移および社会保障費の見通しや、現行の主な子育て支援策、これまでの主な医療保険制度改革などを事務局が説明した。

岸田首相は、全世代型社会保障の構築に向けて、全世代型社会保障構築会議が今年の5月に取りまとめた「議論の中間整理」や政府の「骨太の方針2022」にもとづき、同会議で検討をさらに深めていく必要があると指摘。

少子化については、出生数が将来人口推計よりも7年程度早く減少し、危機的な状況にあるため、出産育児一時金の大幅な増額を早急に図るなど、子どもの年齢に応じた切れ目のない支援強化のあり方を検討するよう要請した。

さらに、今後、3年間で団塊の世代が後期高齢者となるなか、負担能力に応じ全世代で増加する医療費を公平に支え合う仕組みが必要と強調。

また、働き方に中立的な社会保障制度等を構築すべく、勤労者皆保険の実現に向けた方向性を議論するよう求めた。

こうした議論を加速化していくため、①子ども・子育て支援の充実②医療・介護制度の改革③働き方に中立的な社会保障制度等の構築─の3テーマを中心に、年末に向けて議論を進め、その結果を報告するよう全世代型社会保障構築会議に指示した。

首相の発言を受け、全世代型社会保障構築会議は3テーマの検討チームを新設し、年末の「報告」の取りまとめに向け議論を深めていくことを確認。

検討チームは同会議の構成員から成り、テーマ①は清家座長、テーマ②は増田寛也座長代理、テーマ③は権丈善一構成員がそれぞれ主査を務める。

今後は、「議論の中間整理」および「骨太の方針2022」の指摘を踏まえ、テーマ①は、妊娠・出産・育児を通じた切れ目ない包括的支援が提供される体制や制度の構築、企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く負担していく新たな枠組みなどの項目を検討する。

テーマ②は、後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額(現行は年間66万円)の引き上げを含む保険料負担のあり方をはじめ、各種保険制度における負担能力に応じた負担のあり方、給付と負担のバランスなどについて総合的に検討。

また、かかりつけ医機能が発揮される制度整備や地域医療構想の推進など、2040年を見据えた医療・介護提供体制のあり方の検討も進める。

テーマ③は、年金制度について、被用者保険にかかる企業規模要件の撤廃を含めた見直しや非適用業種の見直しのほか、フリーランス、ギグワーカー等の被用者性をどう捉えるのかを検討したうえで、より幅広い社会保険適用のあり方について総合的に検討する。

3テーマのほか、独居の困窮者・高齢者等の「住まい」の確保など、地域共生社会も検討項目に位置づけている。

各検討チームにおける議論の結果は全世代型社会保障構築会議に報告し、検討を深化。年末の「報告」に向けて、同会議の開催頻度も上げる。

政府は、3テーマの「報告」を踏まえつつ、中長期的な課題について、予算反映や法制化を視野に、具体的な改革事項を年内に工程化する。

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